カイオム・バイオサイエンス株式会社カイオム・バイオサイエンス4583東証グロース医薬品2025年12月期, 単体, 日本基準
カイオム・バイオサイエンスの売上高は5.9億円です。
売上100円あたり約165円の営業赤字です。
前期から売上は-24.0%。
数字で見ると
2025年12月期、売上100円に営業損失165円
2025年12月期、事業利益の100%を1事業が占める
2025年12月期、現金は総資産の70%
開示された数値から自動で作った要約
銀行・保険、または最新期に必要な数値が揃わない会社では、一枚絵の代わりに損益の図を表示しています。
2025年12月期の数字(書類の提出日 2026-03-27)
カイオム・バイオサイエンスが100円売ったとき、何にいくら使い、いくら残るか。
年度をそろえて、売上から粗利・本業の利益・純利益が残る割合を比較します。未開示の年度は線をつなぎません。
2020年12月期 → 2025年12月期
売上(銀行・保険は経常収益)は棒、各利益率とFCFマージンは折れ線です。年度をそろえて、事業規模と利益・現金の残り方を比べます。FCFは営業CFと投資支出から計算する場合があります。
同じ事業キーを接続し、キーの異なる事業は新設・再編として表示。帯の太さは売上構成比。
前期比(2024年12月期 → 2025年12月期)
従業員数(連結) +4.3% · 売上(連結) -24.0%
| 指標 | 21/12 | 22/12 | 23/12 | 24/12 | 25/12 |
|---|---|---|---|---|---|
| 従業員数(連結) | 49 | 49 | 51 | 47 | 49 |
| 平均年間給与(提出会社・単体) | 754万円 | 727万円 | 688万円 | 738万円 | 768万円 |
| 平均年齢(単体) | 43.2歳 | 44.3歳 | 44.6歳 | 44.8歳 | 45.8歳 |
| 平均勤続年数(単体) | 5.0年 | 5.9年 | 5.9年 | 6.1年 | 6.3年 |
1人あたりの値は連結売上・利益を連結従業員数で割ったものです。平均年間給与・年齢・勤続年数は提出会社単体の値で、持株会社では本社の少人数の平均になることがあります。従業員数の定義は会社ごとに異なります。開示値から計算(DERIVED)。
この会社が出てくる業界地図。
2025-12-31 ※「資産管理口」は投資信託や年金などの株をまとめて預かる名義で、実際の持ち主(機関投資家など)ではありません。
カイオム・バイオサイエンスは東京都渋谷区に本社を置く、2005年設立のCRO・臨床検査の会社です。連結の従業員は49人。東証グロースに上場しています。
出典: 有価証券報告書(S100XUJT、2026年3月27日提出)。提出時点の情報で、その後の変更は反映していません。
会社が提出した有報の記述を、年度と出典を添えて確認できます。
提出日 2026-03-27 · 書類 S100XUJT
3【事業の内容】 1.事業環境 (1)当社が研究開発を手掛ける抗体医薬品 ヒトには、体内に侵入した細菌やウイルス等のタンパク質を異物(抗原)として認識し、その異物を攻撃、排除するために、体内で抗体というタンパク質を作る能力(抗原抗体反応)が備わっています。これは免疫と言われる身体を守る防御システムの一つです。こうして体内で作られた抗体は、特定の抗原にのみ結合する性質を持っており、正常な細胞とがん細胞を見分けたり、病気の原因となるタンパク質の機能を抑えたりすることができます。この抗体というタンパク質を医薬品として体の外から投与するものが抗体医薬品です。従来の低分子医薬品では、正常な細胞にも作用することで副作用を引き起こすこともありますが、抗体医薬品は、疾患に関連する細胞だけが持っている抗原をピンポイントで狙い撃ちするため、高い治療効果と安全性が期待されております。 現在、世界で承認されている抗体医薬は100品目を超えており、がんや自己免疫疾患の領域では目覚ましい治療効果をもたらしたものもあります。しかしながら、膵臓がん、肺がん、アルツハイマー病、糖尿病合併症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)等、未だに治療満足度、薬剤貢献度が低い疾患が残されており、また、既存の抗体治療薬よりも優れた抗体に対するニーズも存在します。当社は、自社の技術プラットフォームを初めとする抗体・タンパク質周辺技術を最大限に活用して、そのようなアンメットニーズ(*)の高い分野に対する抗体創薬に取り組んでおります。 <抗原抗体反応> (2)抗体医薬品市場 抗体医薬品は、がんや自己免疫疾患等を中心に医療の現場で処方されており、近年の全世界医療用医薬品の市場においては抗体薬品を中心とするバイオ医薬品処方箋薬のシェアは3割を超え、売上高の上位100品目の半数以上を占めるまでになっております。また、抗体薬物複合体(ADC(*))やバイスペシフィック抗体(*)に代表される多価抗体などの次世代型抗体については、従来よりも有用性を高めた医薬品としての開発が進められ販売されるに至っており、今後も抗体医薬品市場の一層の拡大が期待されております。(出典:Evaluate World Preview 2022) 2.当社のビジネスモデル (1)経営理念 当社は、「医療のアンメットニーズに創薬の光を」というミッションのもと、「アンメットニーズに対する抗体医薬の開発候補品を生み出すNo.1ベンチャー企業を目指す」という経営ビジョンを掲げ、アンメットニーズの高い疾患領域に対する抗体創薬と創薬支援を事業の基本として、成長性と安定性を兼備した経営を目指しております。 (2)ビジネスモデル 当社は、独自の抗体作製技術(ADLib®システム、Tribody®、DoppeLib™)や創薬力を用いて治療薬や診断薬等の抗体医薬品候補を研究開発する「創薬事業」および「創薬支援事業」を展開しております。「創薬事業」では、抗体医薬品の基礎・探索研究(*)、前臨床段階を主な事業領域として、アンメットニーズの高い疾患領域における抗体創薬研究を行い、医薬候補品を製薬企業等に導出(*)します。また、当社のパイプライン(*)のうちCBA-1205やCBA-1535については、当社の収益性を最大化するため、初期臨床試験を実施したのちに導出を行います。また、「創薬支援事業」では、製薬企業や診断薬企業、アカデミア等の研究機関で実施される創薬研究を支援するため、抗体などのタンパク質の発現・精製等のサービスや、当社の保有する抗体作製技術を用いた抗体作製サービスの提供、ADLib®システムを用いた抗体の親和性向上業務の提供を行います。このように、当社は拡大する抗体医薬品市場において製薬企業等に製品やサービスの提供を行うことを主たる事業としており、これにより当社は、契約一時金、マイルストーン(*)、ロイヤルティ(*)、受託サービス料等の対価を企業等から受け取り収益を獲得します。 なお、上記の事業は「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 <当社の収益モデル・事業系統図> <事業系統図(創薬事業)> <事業系統図(創薬支援事業)> (3)当社の基本戦略 当社は、当社が保有する複数の抗体作製技術を用いて標的抗原に対する多様な抗体を作製し、リード抗体(*)を取得することで、有効な治療法がない重篤な疾患や、薬剤による治療満足度が低い疾患を中心とした、アンメットニーズの高い疾患に対する抗体医薬の開発候補品を生み出す、No.1ベンチャー企業を目指します。 (4)当社の基本戦略を遂行するための3つの強み ・医薬品候補抗体を継続的に創出するための独自のADLib®システム、Tribody®、DoppeLib™等の複数の抗体作製技術、タンパク質調製や抗体エンジニアリングに関する技術やノウハウ等からなる技術プラットフォームを保有していること ・臨床開発機能を有し、自社による創薬テーマの設定から非臨床パッケージの構築、開発戦略および薬事戦略の立案、ならびにCMC(*)開発によるCMO(*)マネジメントなど、医薬品候補の創製から初期臨床開発までを最速で実施できる体制を確立していること ・専門性の高い人材が持つネットワークを通じて、当社の研究開発の推進に最適なリソースや資源を獲得できること 3.事業内容 (1)創薬事業 創薬事業は、アンメットニーズの高い疾患領域における抗体創薬研究と開発(共同開発を含む)を行い、その研究成果物であるリード抗体等の知的財産を製薬企業等に実施許諾し、契約一時金、マイルストーンおよびロイヤルティ、並びに共同開発等に係る収入等を獲得する事業です。 医薬品の開発には、一般的に基礎・探索研究、前臨床開発、臨床開発、申請・承認、製造・販売のプロセスがありますが、当社の創薬事業においては、基礎・探索研究段階から前臨床開発および初期臨床開発段階までの抗体医薬品開発の上流工程を主な事業領域としております。本事業においては、自社で開発候補抗体(ヒト化抗体(*)、ヒト抗体)の前臨床データパッケージまでを作成し、早期導出を図ることを基本戦略としますが、CBA-1205やCBA-1535のように特定のプログラムにおいては抗体の価値を高め、収益性の向上が期待できる自社での初期臨床開発も行ってまいります。 また、当該事業領域におけるパイプラインは、自社の抗体作製技術等を用いた創薬研究活動や外部からの新規パイプラインの導入(*)によって、拡充を図ってまいります。 当社が保有しているパイプラインは下記のとおりです。 CBA-1205は、肝臓がんを中心とする固形がんの細胞表面に発現している抗原DLK-1というタンパク質に選択的に結合する遺伝子組換えヒトIgG1型モノクローナル抗体(*)です。糖鎖改変技術によって抗体依存性細胞傷害活性(ADCC活性(*))を増強させたファースト・イン・クラス(*)抗体で、DLK-1を発現するがん細胞を移植したマウスに対して強力な抗腫瘍活性を示します。DLK-1は、幹細胞(*)や前駆細胞(*)のような未熟な細胞の増殖・分化を制御することが明らかにされていましたが、肝臓がんをはじめとする複数のがん細胞表面においてもDLK-1が発現しており、その増殖に関与していることが明らかにされています。そのためDLK-1はがん治療における新たな標的分子としての可能性が期待されています。 CBA-1535は3つの抗原結合部位を有する多重特異性抗体で、抗原結合部位の内の2つは多くの固形がんに発現がみられるタンパク質5T4に結合し、残りの1つが免疫細胞であるT細胞(*)上のタンパク質CD3に結合する、Tribody®技術を用いて創製されたT cell engager(*)というカテゴリに入る、がん治療用候補抗体です。患者さんが元来保有している免疫を司るT細胞の働きを活性化することで、がん細胞を攻撃します。想定される適応疾患としては、悪性中皮腫、小細胞肺がんや非小細胞肺がんなどのアンメットニーズが高い領域での開発が期待されます。 PCDC(*)は、幅広い固形がん(肺がん、膵臓がん等)で発現が確認されているCDCP-1というタンパク質をターゲットとし、結合特性等に基づく広い有効域・安全域が期待される抗体です。がん細胞上のCDCP-1に結合した後、細胞内に取り込まれやすい性質を利用して、抗体に薬物を結合したADC用途を中心とした開発が期待されます。 PTRY(*)は3つの分子を認識するTribody®技術を用いて創製したがん治療用候補抗体で、固形がんに発現が認められる「5T4」、免疫細胞であるT細胞上の「CD3」、免疫チェックポイント阻害に関与する「PD-L1」に結合するがん治療用の多重特異性抗体です。T cell engagerに加えて免疫チェックポイント阻害機能を加えることで従来のがん免疫療法では十分に効果が期待できなかった患者さんへの新たな治療薬となることを期待しています。また、複数の機能を一つの薬剤に持たせることで患者さんや医療現場の負担軽減、薬価抑制による医療経済への貢献にも有用な薬剤として期待されます。 PXLR(*)は、がん細胞により呼び寄せられる薬剤耐性環境の原因細胞である免疫抑制細胞を減少させ、薬剤耐性のがん微小環境を改善、再発抑制が期待される、がん治療用候補抗体です。 PFKR(*)はFractalkine (CX3CR1) receptorの機能阻害抗体であり、自己免疫性神経疾患等の病態進行を抑制することが期待されます。また、2024年11月に旭化成ファーマ株式会社(以下、旭化成ファーマ)との間で、ライセンス契約を締結いたしました。 また、当社では、自社単独または共同研究により新規のターゲットに対する複数の抗体創薬プロジェクトを推進しております。新規創薬プロジェクトの発足においては、大学・研究機関等から、従来の技術では抗体作製が困難な抗原情報を入手するなど、ターゲット(抗原)の獲得も積極的に行っております。それらの抗原に対する抗体が、疾患モデル動物などを用いた評価により、治療効果を有する事を確認した場合、当社はその発明について共同出願を行い事業化の権利を確保した上で研究活動を推進いたします。また当社の創薬力を向上するため、基礎的かつ高度な専門性を要求される分野において大学・研究機関等と共同研究を行い、当社が保有する抗体作製技術の改良や、創薬基盤技術における課題解決を図るなど技術革新にも取り組んでおります。 (2)創薬支援事業 製薬企業や診断薬企業、大学等の研究機関で実施される創薬研究を支援するため、抗体などのタンパク質の発現・精製等のサービスや、当社の保有する抗体作製技術を用いた抗体作製サービス、ADLib®システムを用いた抗体の親和性向上業務を提供することによってサービス料等の収入を獲得する事業です。 <主なサービスの内容> サービス項目 内 容 タンパク質・抗原調製、抗体の発現精製 抗体作製に必要な組換えタンパク質(抗原)や、研究開発用途の抗体などを細胞に発現させ、精製を行います。種類に応じた発現・精製方法を選び、純度や物性の分析を行います。 安定発現細胞株作製 安定的に組換えタンパク質(抗原や抗体)を供給できるように、遺伝子組換え技術を用いて、組換えタンパク質を効率よく発現する細胞株を作製します。 ADLib®システム等による抗体作製 ADLib®システムやハイブリドーマ法(*)といった抗体作製技術を用い、創薬研究に用いるモノクローナル抗体作製を行います。当社の抗体創薬の知識・ノウハウを活かし、顧客のニーズに合わせた抗体作製プランを提案いたします。 ADLib®システムを用いた抗体の親和性向上業務 当社で培ったADLib®システムの技術・ノウハウを活かし抗体の結合力(抗体親和性)を向上させることで、より薬効の高い抗体医薬の精製が期待できます。 4.当社の抗体作製技術 (1) 抗体作製技術 当社は抗体作製技術のADLib®システムやTribody®作製技術など独自の抗体作製技術を保有し、また、汎用的な技術であるハイブリドーマ法などの複数の技術を用いて抗体作製を行っております。また、それぞれの技術の特性を活かして統合的に運用することにより抗体作製力を最大化してまいります。また、新たに多重特異性抗体作製技術であるDoppeLib™の開発も進めており、当社の抗体作製技術の強化にも努めております。 <抗体作製技術とその特徴> 抗体作製技術 技術の特性 ADLib®システム ・抗原があれば10日前後という短期間で直接ヒトIgG抗体が獲れる ・自律的多様化という独創的な抗体ライブラリ(*)の特徴を生かし、抗原特異的抗体(*)の取得から抗体の高親和性化までを連続的に行うことが可能 ・動物免疫(*)と異なり、自己抗原への免疫寛容(*)の影響を受けないため、理論的にはあらゆる配列のタンパク質を認識する抗体を取得できる可能性がある Tribody® ・3つ以上の異なる抗原結合部位を持つ抗体であるTribody®およびその発展型多重特異性抗体のデザイン・エンジニアリング・創薬開発を可能にする技術プラットフォームをいう ・CBA-1535のように腫瘍細胞の近傍でT細胞を活性化することにより、がん細胞を叩くT cell engagerというカテゴリや、複数の疾患関連細胞を架橋することでがん以外の疾患の治療薬も設計可能 ハイブリドーマ法 ・動物免疫による抗体作製法で、最もよく用いられる ・手法が確立されており、医薬品化された実績も多い ・ヒト抗体産生動物を用いた場合、ヒト化の工程を経ずにヒト抗体を取得することができる DoppeLib™ ・2つの異なる抗原結合部位を持つ多重特異性抗体を迅速かつ網羅的にスクリーニングする技術 ・培養細胞表面上に多重特異性抗体を発現させるため、標的の組合せ、親モノクローナル抗体の最適組合せを効率的に評価できる技術 ・多重特異性抗体の探索研究において強力な課題解決手法となるものと期待 (2) 当社独自の抗体作製技術ADLib®システム ① ADLib®システムの仕組み ニワトリのB細胞由来のDT40細胞(*)は、様々な種類の抗体を生み出すメカニズムを持っています。当社では薬剤処理により人為的に活性化させて、試験管内において短期間で多種多様なモノクローナル抗体を産生する細胞集団(ライブラリ)を作り出しています。そのライブラリの中からターゲットである抗原に特異的に結合する抗体を取得します。この方法を当社では、ADLib®システム(トリ免疫細胞を用いたモノクローナル抗体作製システム:Autonomously Diversifying Library、総称してADLib®)と呼んでおります。 <ADLib®システムによる抗体作製のイメージ図> ② ヒトADLib®システムについて ヒトADLib®システムは、遺伝子組換え技術によりDT40細胞のトリ抗体遺伝子がヒト抗体遺伝子に置き換えられており、ヒト化の工程を経ることなく、ヒト抗体を直接取得することができます。 <ヒトADLib®システムの概略> ③ 従来の抗体作製技術との主な違い ADLib®システムは、従来の抗体作製技術とは異なるテクノロジーとして、次のような技術的特徴を有しております。 a.迅速な抗体取得 ADLib®システムでは、抗体セレクションの全工程を試験管内で実現したことにより、10日程度でターゲット特異的な抗体を判定することが可能で、他の技術と比較して抗体取得の判定期間が短い点が大きな特徴です。競争の激しい医薬開発の分野では、いち早い特許取得が重要であり、この点で他の方法に比べて短期間で抗体を作製できるADLib技術には大きなメリットがあります。 b.従来の免疫法では困難な抗原に対する抗体取得 ヒトを含む動物は、体内に入ってきた異物に対しては免疫反応(*)が起きて抗体を作りますが、がんの様に、自分を構成している成分が何かのきっかけにより過剰に体内で増えて病気を引き起こすような場合には、そもそも自身の体の成分なので異物とはみなされず、免疫寛容とよばれる仕組みにより抗体を作ることができません。進化の過程においてマウスとヒトの間でもほとんど変化することなく種を超えて受け継がれてきたタンパク質は非常に類似していることがあり、ヒトを構成する成分であってもマウスで抗体を取得することは容易ではありません。しかし、試験管内で抗体が得
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社は創業以来、当社独自の抗体作製技術であるADLib®システムの技術開発、ならびに抗体医薬品の創製にむけた研究開発を行ってまいりました。現在、当社では抗体作製に関する複数の技術を保有し、これまでの製薬企業やアカデミア等との協業を通じて培ってきた抗体創薬に関わる周辺の技術や知識も蓄積しております。これらを活かし、アンメットニーズの高い疾患に対する抗体創薬の新規創製を進めるとともに、自社の臨床開発機能を活かし画期的な新薬の初期臨床開発、ならびに製薬企業等のパートナー企業の様々な研究開発ニーズに対して自社知識経験・技術に基づく解決法を提供するなど、新たな治療薬創出に注力する経営を進めております。 複数の抗体作製技術を用いることでリード抗体取得の可能性を高め、有効な治療法がない重篤な疾患や、薬剤による治療満足度が低い疾患を中心に「医療のアンメットニーズに創薬の光を」あてる研究開発を強く推進し、人類の健康に貢献をしてまいります。 (2)経営環境 「第1 企業の概況 3 事業の内容 1.事業環境」に記載しております。 (3)目標とする経営指標 創薬事業においては、医療用医薬品の開発候補品となるリード抗体を創出し、臨床開発を目的として製薬企業に導出することで収益を得るビジネスに取り組んでおります。当社が保有する開発候補品の収益性向上や導出確度の向上を鑑み、前臨床試験(*)段階、または、初期臨床試験を実施した後の導出を目指しております。一般的には臨床開発を行い、医療用医薬品として承認に至る可能性が高まることによって、導出時に得られる収益性が高くなります。しかしながら、臨床開発に入った抗体医薬品候補が承認に至るまでの成功確率は一般的に10~20%程度と言われているため、1つの開発品目だけに当社の事業や将来の収益の可能性を依存することは経営上の様々なリスクが大きくなります。従いまして、当社は研究開発の各段階において、複数の開発品目を保有することで事業全体の成功確度を高めることを目標に掲げております。現在、当社では臨床段階のプログラムとしてCBA-1205とCBA-1535の2つの開発品目を有しております。両プログラムとも抗体の安全性及び初期の有効性の評価を行ったのちに、製薬会社等への導出することを目標としております。特にCBA-1205についてはこれまでの臨床試験等の状況から、適応症拡大の可能性および導出時に製品価値向上にむけた臨床開発を進めており、製薬会社等へ導出時の契約一時金や開発マイルストーン等の経済条件の最大化にむけた取り組みを進めております。 また、探索研究段階にある創薬プロジェクトでは、リード抗体獲得及び知財化に向けて、抗体作製や動物試験等の研究開発を推進しております。社内での技術改良に加え、社外の技術導入や共同研究等のアライアンスも積極的に推進することで、創薬力を高める取り組みを行っております。 2025年にはIDD(Integrated Drug Discovery)ビジネス(*)を立ち上げ、製薬企業等のパートナー企業の様々な研究開発ニーズに対して自社知識経験・技術に基づく解決法を提供し、共同で抗体創薬の研究開発を進めております。 創薬支援事業においては、複数の安定顧客に質の高い抗体作製およびタンパク質・抗体の発現精製等の委受託業務を継続的に提供することで、収益基盤の安定化と本事業で獲得した収益を創薬事業での研究開発投資に充当しております。本事業では収益性を高めるために、当社の抗体研究領域における高い業務品質と柔軟な業務遂行を通した高付加価値型のビジネスの遂行により、セグメントの利益率50%確保を目指しております。また、付加価値の高い業務品質や柔軟な業務遂行力を維持することが本事業における目標達成にとって重要な要素であり、収益性を高めるために現在は国内の大手抗体医薬企業との取引に注力をしております。 (4)中長期的な会社の経営戦略 当社の中長期的な事業シナリオは次のとおりです。 ① 治療用抗体の臨床開発及び導出戦略 ファースト・イン・クラス抗体であるCBA-1205および、多重特異性抗体であるCBA-1535の臨床開発を進め、第1相臨床試験終了後の導出を目指します。CBA-1205については、第1相臨床試験の前半パートの固形がん患者さんを対象とした症例登録が完了し、安全性の高さが示されたため、2022年から始めた後半パートでは肝細胞がんの患者さんにおける安全性と有効性の確認を進めております。また、前半パートで登録されたメラノーマの患者さんにおいて腫瘍縮小を伴うSD(安定)評価が長期にわたって継続していることから、メラノーマの患者さんを対象とした有効性の確認をするコホートも追加いたしました。さらに、海外の研究機関との共同研究の成果から本剤の小児がんでの開発可能性が確認されたため、小児がんのコホートも追加いたしました。後半パートにおいて肝細胞がん、メラノーマおよび小児がん等の複数のがんに対して効果を示唆する有用なデータの取得を目指し、製品価値の最大化を図った後に、導出するシナリオを想定しております。また、2022年6月に臨床試験を開始したCBA-1535は、現在、第1相臨床試験の前半パートにおいて固形がん患者さんを対象に、段階的に治験薬の投与量を増やしながら安全性の確認を進めております。前半パートの試験データでの導出等を見据え、臨床試験を実施しております。 ② 治療用リード抗体の継続的な創出 アカデミアやバイオベンチャー等との共同研究を軸に、当社の抗体作製技術を用いてアンメットニーズに対するリード抗体を継続的に創出し、製薬企業等へ早期に導出することを目指します。現在、当社では旭化成ファーマに導出したPFKRに続くライセンス契約の獲得に向けて、がん治療用抗体のPCDC、Tribody®創薬テーマであるPTRY、がん領域の治療用候補抗体PXLRについても、製薬企業への導出活動を進めております。また、当社のTribody®技術とmRNAを組み合わせた画期的な新薬創出に向けてNANO MRNA株式会社(以下、NANO MRNA)との共同研究を開始するなど、今後も継続的に新規リード抗体を創出し当社の成長の源泉を獲得する取り組みを進めてまいります。さらに、次世代抗体を取得するための抗体基盤技術「DoppeLib™」の研究開発を行っており、同技術を用いて自社創薬やIDDビジネスを積極的に推進してまいります。当社の抗体基盤技術を強化することで抗体創薬領域における競争優位性を確保し、単一のプロダクトや契約に依存しない経営上のリスク分散や安定的な収益を獲得できる事業運営を行っております。 ③ 開発候補品の継続的な創出・確保 当社が手掛けるような医薬品の研究開発は通常、開発期間が長く相当程度の開発中止リスクが伴うため、安定的な成長にはステージの異なる複数のパイプラインの確保が必要となります。当社では自社の創薬研究によってリード抗体を継続的に創出し、新たなパイプラインに加えるだけでなく、前臨床段階から外部企業との提携・共同研究開発を行うことにより、開発ポートフォリオを充足させ開発候補品を断続的に保持することを目指します。また、CBA-1205やCBA-1535に続く臨床開発については、当社の基盤技術の改良や応用を行いながら創薬プロジェクトの研究活動を積極的に推進することに加え、製薬企業やバイオベンチャーとの提携を通じて、新たな臨床開発候補品の確保や事業化にむけた取り組みを進めてまいります。 ④ 創薬研究・開発と事業開発の連動 新規の創薬研究・開発においては、将来の提携や早期の導出が実現できるよう、業界での開発動向や既存薬剤による医療ニーズの充足度等を調査、検討の上、最適な創薬ターゲットの選定と出口戦略の策定が重要です。そのため、当社では自社での評価の他に、製薬企業等との情報交換による需要の発掘やアカデミアとの連携などを通じて、ターゲットの選定が適切に行われるよう努めてまいります。その上で提供可能なパイプラインがクライアントのニーズに即していた場合には、早期にライセンス契約へと繋げていくことを目指します。 ⑤ 収益最大化を目指した初期臨床開発の実施 医療用医薬品の導出において、一般的には開発後期になるほど医薬品開発の成功確率があがり、それにより導出時の経済条件は有利になります。当社は、一部のパイプラインにおいては前臨床段階での導出のみならず初期臨床開発を実施した上で導出することで、当社の収益性が最大化するような取り組みを進めてまいります。 ⑥ 収益基盤としての創薬支援事業とIDDビジネスの推進 当社は継続的に創薬事業での研究投資を行うにあたり、その必要資金については自社の収益から充当できる状況を目指しております。そのために、既存顧客の取引拡大に加え、国内外の新規顧客との取引契約獲得を積極的に進め、創薬支援事業およびIDDビジネスを拡大させてまいります。 (5)対処すべき課題 当社が認識する対処すべき課題については以下のように考えております。 ① 抗体作製力の維持向上とパイプライン拡充 当社は、抗体医薬の開発候補品を継続的に創出して、革新的な医薬品を待ち望む患者さんに貢献することを目指しておりますが、保有するパイプラインが様々な理由で開発の遅延や中断、中止等になるリスクがあります。また、当社の創薬事業は抗体医薬品を導出することで収益を獲得するというビジネスモデルのため、承認申請にむけた臨床開発は導出後の製薬企業で行われますが、導出先企業の開発戦略変更等によりライセンス契約終了などの影響が生じるリスクがあります。それらの開発や事業上のリスクに対応するためには、当社の創薬パイプラインを拡充することにより、開発中止等によって生じる経営上の様々なリスクを分散する必要があると考えております。そのためには抗体作製等の技術改良や創薬ノウハウ蓄積を行うことで当社の創薬力を強化し新薬創出機会を高め、様々な開発ステージでバランス良く構成された複数のパイプラインの保有することで経営リスク分散を進めてまいります。 ② 初期臨床開発の着実なる遂行 当社は、医薬品の研究開発段階の中でも比較的早期の導出を目指しておりますが、導出時の収益性を向上させ、導出先による医療用医薬品としての承認取得の可能性を高めることも重要であると考え、自社での初期臨床開発の取り組みを進めております。現在、当社が保有するパイプラインのうち、がん治療用候補抗体のCBA-1205とCBA-1535については、価値最大化を目指して臨床試験を着実に進め導出に向けたデータ取得に注力しております。 ③ 創薬支援事業およびIDDビジネスの推進に対応した人材及び研究設備の確保 当社は、研究投資に必要な資金確保にむけて創薬支援事業の推進やIDDビジネスの展開に注力しておりますが、顧客である製薬企業やスタートアップのニーズに的確に把握し、質の高い研究開発の支援を進めるためには、創薬経験のある優秀な人材の確保、社内人材の育成、研究環境の確保が重要と考えております。現在、継続的に人材採用を進めるなど、事業拡大にむけた取り組みを積極的に進めております。
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 1.事業環境に関する項目 (1) 抗体医薬品市場の成長性に関するリスク 現在、世界では100以上の抗体医薬品が上市(*)されており、今後も抗体医薬品市場は安定的に成長するものと見込んでおります。しかしながら、各種疾患のメカニズムや病態の解明により、疾患特異的に作用する分子標的薬の開発、低分子特有の副作用を軽減するために疾患部位に薬を送り届けるデリバリーシステムの開発等との競合や、再生医療や遺伝子治療による治療の普及等により想定どおりに市場が拡大しない場合には、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 医薬品開発における医薬品医療機器等法その他の規制に関するリスク 当社が参画する医薬品業界は、研究、開発、製造および販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬事法、薬事行政指導およびその他関連法規等により、様々な規制を受けております。当社は医薬品医療機器等法をはじめとする現行の法的規制および医療保険制度、それらに基づく医薬品の価格設定動向等を前提として、当社の開発候補品が導出先の製薬企業において上市された場合を想定し事業計画を策定しています。当社の抗体が医薬品として上市されるまでの間、これらの規制や制度・価格設定動向等が変更される可能性があり、これらに大きな変更が発生した場合には、当社の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 医薬品開発に関するリスク 一般に医薬品の開発には多額の研究開発投資と長い時間を要するだけでなく、その成功確率も他産業に比して著しく低い状況にあります。研究開発の初期段階において有望だと思われる化合物や抗体であっても、前臨床試験や臨床開発の過程で有用な効果を発見できないこと等により研究開発が予定どおりに進行せず、開発の期間延長や中止を行うことがあります。このように、各開発品の研究開発には多くの不確実性が伴い、当社の現在および将来における開発品についても同様に不確実性のリスクが内在しております。当社は、研究開発段階から収益が得られるビジネスモデルを構築することにより、各開発品の研究開発リスクの分散を図っておりますが、期待どおりの収益が得られる契約が締結できる保証はありません。このような場合には、当社の事業計画や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 臨床開発に関するリスク 当社は、基礎・探索研究、前臨床試験の事業領域として、開発候補抗体の前臨床データパッケージまでを作成したパイプラインの早期での導出を基本戦略としておりますが、一部のパイプラインについては、収益性や導出可能性を検討した上で、初期臨床開発を実施いたします。臨床開発は長期、高額、かつ不確実なプロセスであり、遅延または更なる必要事項が生じうるものであり、試験の全ての段階において失敗が生じえます。また、臨床試験の中間結果は、その最終結果を予想させるものではなく、開発の初期段階においては有望であるように見える製品候補であっても、失敗する可能性があります。さらに、臨床試験を完了するために十分な被験者を適時に確保できないために、遅延等が生じる可能性もあります。このように、パイプラインの試験を完了するためには数年を要し、試験において遅延が生じた場合、当社パイプラインの開発費用は増加します。大幅な臨床試験の遅延は、当社がパイプラインを導出する能力を害する可能性があります。当社がパイプラインに関し、開発、規制上の承認の取得を成功裡に行うことができず、または導出による収益を認識できない場合、当社の事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 他社との競合について 競合他社が同じターゲットで優れた機能を持つリード化合物を創出した場合は、導出候補先である製薬企業等への導出活動が容易でなくなる可能性があります。また、複数の同業他社の参入に伴いアライアンス活動の競争が激化し当社事業の優位性に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 為替レートの変動に関するリスク 当社は、社外との提携関係の構築をグローバルに展開していることから、海外の取引先との間で外貨建取引を行っております。これまでは、当社の外貨建取引の多くが支払サイトも短いことから、多額の為替差損益を計上することはありませんでしたが、今後の研究開発活動の拡大に伴い、外貨建取引の規模が大きくなった場合や支払サイトの長い外貨建取引を行う場合には、為替レートの変動により当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 2.事業内容に関する項目 (1) 収益計上に関するリスク 創薬事業において、医薬品の基礎研究開始から上市に至るまでには長い年月を要することから、研究開発の成果が事業収益として計上されるまでには長期間を要します。また、医薬品開発の成功確率は近年ますます低くなっており、上市に至らないケースも多いため、最終的に事業収益が計上されない可能性もあります。当社の事業モデルは、前臨床試験段階もしくは臨床試験の初期段階での導出により収益を獲得する事業モデルであるため、導出候補先の製薬企業がその後の開発を実施することになります。このため、臨床試験は導出候補先の製薬企業に依存し、当該導出候補先において順調に臨床試験が進まない場合や経営環境の変化や経営方針の変更など、当社が制御しえない要因が発生した場合には、当該医薬品の開発が遅延あるいは中止となる可能性があります。一方、研究開発が順調に進捗して上市に至った場合であっても、当該医薬品が市場において評価されず、当初契約していた販売マイルストーンなどの収益を計上できない可能性があります。当社は、ステージの異なる複数のパイプラインを確保することで抗体医薬の開発候補品を継続的に創出し、医薬企業への導出を目指しておりますが、契約の締結時期、医薬品開発の進捗状況、医薬品販売開始時期等の遅れによる収益上の期ずれ、また何らかの事由により医薬品開発、販売が中止となる場合には、当社の事業計画および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 特定の取引先に依存するリスク 当社は、中外製薬株式会社及びChugai Pharmabody Research Pte. Ltd.(以下、「中外製薬グループ」)や小野薬品工業株式会社(以下、「小野薬品」)との間で抗体医薬品研究にかかる委託研究取引基本契約を締結しており、当事業年度における当社の売上高に占める両社の割合は高い水準となっております。当社では、委託研究における付加価値を向上させることで、その他製薬企業等から収益を獲得しながら、各クライアントとの良好な取引関係を維持・継続していく方針であります。しかしながら、中外製薬グループや小野薬品の経営方針の変更による委託業務量の減少や契約条件の変更、本契約の解除等が生じた場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 知的財産権について 当社は、研究開発活動等において当社が所有しまたは使用許諾を受けた様々な知的財産権を使用しています。当社が創製した技術等について、当社の知的財産権を侵害されるリスクまたは当社が他社の知的財産権を侵害してしまうリスクがあります。こうしたリスクに対応するために、積極的かつ速やかに特許出願等を行うことで排他性の確保を図るとともに、特許情報データベース等を活用して情報収集を行い、当社特許権の侵害および他社関連特許権の早期発見・対応に努めております。すでに基盤技術特許は国内外で成立し、現時点において当社は知的財産侵害に関する訴訟や第三者による請求について認識していませんが、第三者の特許の存在により特許侵害訴訟を提起された場合には多額の訴訟費用を発生させることとなり、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 新規パイプラインに関するリスク 当社が保有するパイプラインの開発上のリスクに対し、当社は、アカデミアやバイオテックとの提携や当社の優秀な人材が持つネットワークを通じてターゲットを獲得し、アンメットニーズに対する医薬品開発に有用な抗体を作製することにより、新規パイプラインの探索および創出を図っており、シーズ(*)の導入にも努めております。しかしながら、これらの活動により、新規パイプラインの探索および創出が確実にできる保証はありません。このため、何らかの理由により新規パイプラインの探索および創出活動に支障が生じた場合には、当社の事業戦略および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 技術に関するリスク 当社は、医療におけるアンメットニーズを解決しうるターゲットについて、抗体を用いて医薬品を創出することを目指した研究開発を行っており、基礎・探索研究から前臨床試験までの抗体創薬開発を行い、創製した医薬候補品を製薬企業等に導出するために必要な技術やノウハウを有しております。当社の強みは、抗体作製にかかる技術や高品質なタンパク質調製技術を用いて作製された抗体を動物試験で評価し臨床開発に向けたデータパッケージを作ることにあります。しかしながら、当社の強みである抗体創薬研究に関わる技術やノウハウが、他の革新的な技術や安価な技術等で代替できる場合や特許期間が満了した場合等により、その競合優位性が保持できない場合、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 複数の製薬企業との関係に関するリスク 当社が製薬企業と共同研究契約を締結する場合、当該契約が定めるターゲットに重複が生じないよう配慮しておりますが、研究内容によっては、部分的に重なりが発生する可能性も考えられます。その結果、当社がどちらか一方の企業との共同研究の機会を喪失することで当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 提携先に影響されるリスク 提携先企業の技術および研究開発の進捗に大きな差が生じた場合、また経営不振や経営方針の変更があった場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。 3.業績に関するリスク (1) マイナスの繰越利益剰余金の計上について 当社は安定的な利益計上による強固な財務基盤の確立を目指しておりますが、事業が計画どおりに進展せず、当期純利益を計上できない場合には、マイナスの繰越利益剰余金が計画どおりに解消できない可能性があります。 (2) 資金調達について 当社では、研究開発費が収益に先行して計上され、継続的な営業損失が生じております。今後も事業運転資金や研究開発投資および設備投資等の資金需要が予想されます。製薬企業等とのアライアンスによる収益や新株予約権の権利行使等によるキャッシュインおよび人件費や研究開発活動にかかる投資活動等のキャッシュアウトを見込んだ資金計画を策定しておりますが、十分な事業活動資金を確保できない場合には、当社の事業継続に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 減損会計について 当社は事業用の固定資産を保有しておりますが、経営環境や事業の著しい変化などにより事業計画が想定どおり進まない場合や価値の低下があった場合、減損会計の適用により当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 4.その他のリスク (1) 小規模組織であること 当社は小規模な組織であるため、研究開発体制および社内管理体制もこの規模に応じたものとなっております。このような限られた人材の中で、業務遂行上、取締役および幹部社員が持つ専門知識・技術・経験に負う部分が大きいため、当社の業容の拡大に応じた人員の増強や社内管理体制の充実等を図っております。しかしながら、一部の取締役および幹部社員の退職により事業活動に不備が生じた場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 特定の人物への依存について 当社の事業活動は、現在の経営陣、事業を推進する各部門の責任者や構成員に強く依存しています。そのため、常に優秀な人材の確保と育成に努めていますが、このような人材確保または育成が計画通りにいかない場合は、当社の財政状態および経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (3) 新株式の発行による株式価値の希薄化について 当社は資金調達を目的とした増資や新株予約権行使による新株式の発行を機動的に実施していく可能性があります。新株式の発行は当社の事業計画を達成する上で合理的な資金調達手段であると判断しておりますが、発行済株式総数が増加することにより、当社株式の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 (4) 営業機密の漏洩について 当社における事業では、当社は顧客である製薬企業等からの情報を預かる立場にあります。従いまして、当社は役職員との間において顧客情報を含む機密情報に係る契約を締結しており、さらに退職時にも個別に同様の契約を締結し顧客情報を含む機密情報の漏洩の未然防止に努めております。また、抗原名をプロジェクトコード化した社内共通言語を用いた顧客情報管理を実施するとともに、顧客情報へのアクセス制限も行っております。しかしながら、万一顧客の情報が外部に漏洩した場合は、当社の信用低下等により当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 自然災害等の発生について 当社は、地震等の自然災害、大規模事故、火災、テロや戦争、感染症等のパンデミック等が発生した際には、リスク管理規程に基づきリスクを低減する措置を講じます。しかしながら、事業拠点の周辺地域で、または世界的に影響を及ぼす様な大規模な事態が発生した場合には、当社が保有する抗体ライブラリの滅失、データの消失、設備の損壊、各種インフラ及び研究資材等の供給制限、社内や取引先での集団感染等によって、当社の研究開発の進捗及び事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)【役員の状況】 ① 役員一覧 男性7名 女性-名 (役員のうち女性の比率-%) 役職名 氏名 生年月日 略歴 任期 所有株式数 (株) 代表取締役 社長 小池 正道 1962年10月3日 1987年4月 協和発酵工業㈱(現 協和キリン㈱)入社 2007年4月 BioWa,Inc. President and CEO 2011年4月 Kyowa Hakko Kirin Pharma, Inc. President 2013年4月 協和発酵キリン㈱ (現 協和キリン㈱)開発本部 開発企画部長 2014年4月 同社 研究開発本部 がんR&Dユニット長 2018年4月 同社 フェロー 研究開発本部 研究機能ユニット長 2020年6月 加藤記念バイオサイエンス振興財団 理事長 2021年4月 協和キリン㈱ 研究開発本部 研究ユニット長 2023年3月 当社 取締役 2025年3月 当社 代表取締役社長 (現任) (注)4 120,700 取締役 副社長 美女平 在彦 1978年6月5日 2000年3月 ㈱産業育成研究所 入社 2003年8月 ファイザー㈱ 入社 医薬営業部門 2007年10月 大鵬薬品㈱ 入社 経理・海外事業部門 2013年1月 当社入社 研究開発本部研究企画推進課マネージャー 2014年4月 当社 コーポレートプランニング部ディレクター 2016年1月 当社 執行役員コーポレート本部長 2017年3月 当社 取締役 経営企画室長 2026年3月 当社 取締役副社長(現任) (注)4 130,800 取締役 開発本部長 田岡 照世 1969年4月26日 1994年4月 日本ルセル㈱ 入社 1997年1月 協和発酵工業㈱(現 協和キリン㈱) 入社 2010年4月 同社 臨床開発センター 臨床開発グループ長 2014年4月 同社 中枢神経R&Dユニット マネジメントオフィス長 2018年9月 当社入社 臨床開発部長 2020年6月 当社 開発本部長 2023年3月 当社 取締役 開発本部長(現任) (注)4 102,700 取締役 河合 弘行 1954年1月17日 1979年3月 麒麟麦酒㈱(現 協和キリン㈱) 入社 2007年7月 キリンファーマ㈱(現 協和キリン㈱) 取締役執行役員開発本部長 2008年3月 同社 代表取締役副社長兼執行役員製造本部長 2008年10月 協和発酵キリン㈱(現 協和キリン㈱) 常務執行役員生産本部長 2010年3月 同社 常務執行役員 生産本部長 2013年3月 同社 専務執行役員 生産本部長 2014年3月 同社 代表取締役 副社長執行役員 2018年3月 加藤記念バイオサイエンス振興財団 専務理事 2019年6月 同財団 理事長 2019年6月 セントラル硝子株式会社 社外監査役 2023年7月 一般財団法人バイオインダストリー協会 監事(現任) 2025年3月 当社 社外取締役(現任) (注)4 - 役職名 氏名 生年月日 略歴 任期 所有株式数 (株) 取締役 (監査等委員) 降矢 朗行 1945年1月29日 1968年4月 第一製薬㈱(現 第一三共㈱) 入社 1999年4月 同社 医薬開発統括部 部長 1999年6月 同社 理事 2001年6月 同社 取締役 2003年6月 ㈱第一ラジオアイソトープ(現 PDRファーマ㈱)代表取締役社長 2007年6月 同社 相談役 2007年12月 ㈱ペルセウスプロテオミクス 代表取締役社長 2016年7月 同社 相談役 2017年3月 当社 社外取締役 2024年3月 当社 常勤監査役 2025年3月 当社 社外取締役(監査等委員)(現任) (注)5 13,000 取締役 (監査等委員) 山川 善之 1962年8月21日 1986年4月 日本生命保険相互会社 入社 1995年9月 イノテック㈱ 企画室長 2001年9月 ㈱そーせい(現 ネクセラファーマ㈱) 経営企画部長 2003年10月 同社 取締役副社長CFO 2004年10月 同社 代表取締役副社長CFO 2006年12月 響きパートナーズ㈱設立 代表取締役社長 2008年6月 ㈱リプロセル 社外取締役(現任) 2014年3月 ㈱デ・ウエスタン・セラピテクス研究所社外取締役(現任) 2019年3月 当社 社外監査役 2022年12月 響きパートナーズ㈱ 取締役会長(現任) 2025年3月 当社 社外取締役(監査等委員)(現任) (注)5 - 取締役 (監査等委員) 坂本 二朗 1960年11月5日 1983年4月 協和発酵工業㈱(現 協和キリン㈱)入社 2006年4月 同社 バイオケミカル企画管理部長 2007年7月 第一ファインケミカル㈱ 執行役員 経営企画部長 2010年4月 協和発酵キリン㈱(現 協和キリン㈱) 経理部長 2012年3月 同社 執行役員 経営企画部長 2015年4月 同社 執行役員 総務部長 2021年3月 当社 社外監査役 2025年3月 当社 社外取締役(監査等委員)(現任) (注)5 - 計 367,200 (注)1.2025年3月28日開催の定時株主総会において定款の変更が決議されたことにより、当社は同日付をもって監査等委員会設置会社に移行しております。 2.取締役河合弘行氏は、社外取締役であります。 3.取締役降矢朗行氏、山川善之氏及び坂本二朗氏は、監査等委員である社外取締役であります。 4.2026年3月27日開催の定時株主総会の終結の時から1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までであります。 5.2025年3月28日開催の定時株主総会の終結の時から2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時終結の時までであります。 6.所有株式数は、2025年12月31日現在の株式数であります。 ② 社外役員の状況 当社では、社外取締役1名及び監査等委員である社外取締役3名を選任しております。 社外取締役及び監査等委員である社外取締役を選任するための独立性に関しては、東京証券取引所の定める独立役員に係る上場ルールを基準としており、社外取締役の河合弘行氏、監査等委員である社外取締役の降矢朗行氏及び山川善之氏は、一般株主と利益相反の生じるおそれがないと判断し、同取引所に独立役員として届け出ております。 当社と社外取締役の河合弘行氏との間には、特別な利害関係はありません。 当社と監査等委員である社外取締役の降矢朗行氏、山川善之氏との間には、特別な利害関係はありません。 監査等委員である社外取締役である坂本二朗氏は、過去に協和キリン株式会社の業務執行者でありました。当社は、同社との間に業務委受託契約等の取引関係がありますが、その他当社と本人との間に人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。 社外取締役及び監査等委員である社外取締役は、専門的知識、幅広い見識及び知見に基づき、社外の立場から経営に助言を行うとともに、経営の適合性に対する客観的かつ適切な監視等により、当社の企業統治の有効性を高める機能及び役割を果たしております。 社外取締役河合弘行氏は、大手製薬企業における研究開発から生産にわたる研究開発並びに経営等の豊富な経験と幅広い見識を有しており、その有効な助言は当社の経営に資するものであります。 監査等委員である社外取締役降矢朗行氏は、大手製薬企業及びバイオベンチャー企業に経営者として従事した経験から、経営及び創薬全般に関する相当程度の知見を有しており、その有効な助言は当社の経営に資するものであります。同氏は当社株式13,000株を所有しておりますが、それ以外に同氏と当社との間には、人的関係、資本関係、取引関係、その他の利害関係はありません。 監査等委員である社外取締役山川善之氏は、会社経営に関する幅広い見識とバイオベンチャー企業の投資や経営等の豊富な経験を有することから、その有効な助言は当社の経営に資するものであります。 監査等委員である社外取締役坂本二朗氏は、上場会社での社内管理経験と幅広い見識を有しており、その有効な助言は当社の経営に資するものであります。 ③ 社外取締役又は監査等委員である社外取締役による監督又は監査と内部監査、監査等委員会監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係 社外取締役及び監査等委員である社外取締役は、取締役会等重要な会議に出席し意見を述べることにより、取締役の業務執行状況を監督し経営の監視機能を果たすとともに、コーポレート・ガバナンスの強化を図り、コンプライアンスの徹底等に努めております。また、必要に応じて内部統制部門に対する質疑等を行っております。 内部監査、監査等委員会監査及び会計監査との相互連携については、主として監査等委員である社外取締役が担っており、その概要は「(3)監査の状況」に記載のとおりです。
2【沿革】 年 月 事 項 2005年2月 国立研究開発法人理化学研究所(以下、「理研」)および財団法人埼玉県産業振興公社との共同研究により開発された抗体作製技術であるADLib®システム(*)の実用化を目的として、東京都文京区にて株式会社カイオム・バイオサイエンス(資本金10,000千円)を設立 2005年4月 理研とADLib®システムの実用化を目的として共同研究契約を締結し、研究活動を開始 2005年7月 理研よりADLib®システムに関する発明の第三者へのサブライセンス権付き通常実施許諾権を取得 2009年10月 東京都新宿区に本社移転 2010年8月 国立研究開発法人科学技術振興機構、理研とADLib®システムの産業財産権に係わる特許権等譲渡契約締結 2011年12月 東京証券取引所マザーズに株式を上場 2013年5月 東京都渋谷区に本社移転 2013年12月 株式会社リブテック(以下「リブテック」)の発行済株式を過半数取得することにより子会社化 2015年7月 リブテックを吸収合併 2015年10月 株式会社イーベックへの資本参画 2017年2月 株式会社Trans Chromosomicsへの出資 2018年12月 がん治療用候補抗体Tb535H(現、CBA-1535)及び抗体改変技術Tribody®(*)の譲受契約締結 2020年7月 当社初の臨床開発品がん治療用候補抗体CBA-1205の第1相臨床試験(*)の開始 2022年4月 東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所のマザーズ市場からグロース市場へ移行 2022年6月 Tribody®の世界初の臨床試験として、当社臨床開発品がん治療用候補抗体CBA-1535の第1相臨床試験の開始 2025年3月 監査等委員会設置会社へ移行 (注)用語解説については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の末尾に記載しております。
役員情報は有報に記載された範囲です。部長級など社内キーマンの網羅情報ではありません。
EDINET(金融庁)
有価証券報告書-第22期(2025/01/01-2025/12/31)
EDINET(金融庁)
有価証券報告書-第21期(2024/01/01-2024/12/31)
EDINET(金融庁)
訂正有価証券報告書-第20期(2023/01/01-2023/12/31)
EDINET(金融庁)
有価証券報告書-第19期(2022/01/01-2022/12/31)
EDINET(金融庁)
有価証券報告書-第18期(令和3年1月1日-令和3年12月31日)
EDINET(金融庁)
有価証券報告書-第17期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
XBRL から抽出: 41 / 他の開示値から算出: 1
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