用語集
決算書を読むための言葉と、Vizora でその数字をどう作っているか。
損益(もうけ)
- 売上高(売上収益・営業収益)
- 本業で商品やサービスを売って得たお金の合計。国際会計基準(IFRS)の会社は「売上収益」、鉄道や通信などは「営業収益」と呼ぶことが多い。
- Vizora では: 有報の連結損益計算書の値。業界の規模は、業界に入る事業(セグメント)の売上を足したもの(外部顧客への売上を優先して使う)。
- 売上原価
- 売った商品を作る・仕入れるのにかかった費用。
- 販売費及び一般管理費(販管費)
- 人件費・広告費・家賃・研究開発費など、売るため・会社を回すための費用。
- 営業利益
- 売上総利益 − 販管費。本業でのもうけ。
- Vizora では: 「売上 100 円の行き先」の「本業のもうけ」はこの値を売上高 = 100 円に置き換えたもの。
- 営業利益率業界別の数字 →
- 営業利益 ÷ 売上高。売上のうち本業のもうけとして残る割合。業種によって水準が大きく違う(小売・商社は低く、ソフトウェアは高い)。
- ROA(総資産利益率)
- 親会社株主に帰属する純利益 ÷ 総資産。総資産は前期末と当期末の平均を使う。前期が無ければ当期末残高で計算する。
- ROE(自己資本利益率)
- 親会社株主に帰属する純利益 ÷ 親会社株主持分。分母は原則として期首・期末の平均。
- Vizora では: 親会社株主持分が無い場合は純資産で近似し、利益または持分が正でない場合は表示しない。ROE は財務レバレッジでも上がるため、高さだけでは会社の状態を評価できない。業界別中央値は売上 10 億円以上の会社を対象にする。
- 増収増益などの型
- 売上と本業利益が前期から増えたか減ったかを組み合わせた分類。赤字から黒字への転換と黒字から赤字への転落は別に扱う。
- Vizora では: 比較できる年次決算だけを使い、銀行・保険は本業利益に経常利益を使う。
- 営業レバレッジ
- 本業利益の成長率を売上の成長率で割った値。
- Vizora では: 前期・当期とも黒字で、売上の成長率が 0.1% 以上の場合に表示する。
- 経常利益・経常収益
- 日本基準の利益の段階で、営業利益に受取利息・支払利息などを足し引きしたもの。銀行・保険は売上高の代わりに「経常収益」を使う。
- Vizora では: 銀行・保険は経常収益 → 経常費用 → 経常利益の形で図を描く。
- 当期純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)
- 税金などをすべて引いた最終的なもうけ。子会社の少数株主の取り分を除いたものが「親会社株主に帰属する」純利益。
- Vizora では: 見出しの純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。
キャッシュフロー(お金の出入り)
- 営業キャッシュフロー
- 本業で実際に入ってきた現金。利益と違い、売掛金や在庫の増減も反映される。
- 現金比率
- 現金及び現金同等物 ÷ 総資産。総資産のうちすぐに使える現金が占める割合。
- Vizora では: 開示された現金と総資産から計算する。銀行・保険は業界中央値とランキングの対象外。
- 現金 ÷ 売上高
- 現金及び現金同等物を売上高で割った比率。
- Vizora では: 売上高が 0 以下の場合は表示しない。
- 設備投資
- 工場・店舗・システムなどの固定資産を買うのに使った現金。
- Vizora では: 有形・無形固定資産の取得による支出の合計。
- フリーキャッシュフロー(FCF)
- 営業キャッシュフロー − 設備投資。自由に使える現金の目安。
- Vizora では: 開示の値ではなく、この式で計算している。
- 非資金項目・運転資本の差額
- 営業キャッシュフロー − 純利益。
- Vizora では: 会社の一枚絵で純利益と営業CFをつなぐ差額として表示する。非資金項目や売掛金・棚卸資産など運転資本の影響を含み、内訳を特定するものではない。
- 現金化率
- 営業キャッシュフロー ÷ 営業利益。本業の利益のうち、同じ期の営業キャッシュフローとして表れた割合。
- Vizora では: 営業利益が正の場合に表示。銀行・保険は現金の質の指標を表示しない。
- 設備投資比率(CapEx 強度)
- 設備投資 ÷ 売上高。売上に対して設備投資が占める割合。
- Vizora では: 業界別の中央値は主な業界ごとに集計し、3 社以上ある場合に表示する。
- 1人あたり売上
- 連結売上高 ÷ 連結従業員数。
- Vizora では: 会社ランキングは売上高 100 億円以上・従業員 100 人以上を対象とする。従業員数には上限を設け、桁外れの値を除く。
- 1人あたり営業利益
- 連結営業利益 ÷ 連結従業員数。
- Vizora では: 会社ランキングと業界中央値は、営業利益がある会社を対象とする。銀行・保険は営業利益を使う指標から除く。平均年間給与は別の提出会社単体の値。
- 平均年間給与
- 有価証券報告書の従業員情報に記載された平均給与。賞与を含む。
- Vizora では: 連結従業員数とは異なり、提出会社(親会社単体)の値として表示する。業界中央値も同じ提出会社ベース。
- 海外売上比率
- 地域別売上の合計から日本・国内の売上を引いた値を、会社全体の売上で割った比率。
- Vizora では: 地域別売上が開示され、地域合計と会社全体の売上の差が5%未満の場合に限る。差が5%以上、または日本・国内の地域を特定できない場合は省略する。
1株あたり・株式
- EPS(1株当たり利益)
- 1株あたりに対応する当期利益。
- Vizora では: 有報の開示値をそのまま表示し、株式分割調整を独自に加えない。
- BPS(1株当たり純資産)
- 1株あたりに対応する純資産。
- Vizora では: 有報の開示値をそのまま表示する。
- 配当性向
- 配当額が利益に占める割合。
- Vizora では: 開示値を優先する。未開示なら正の EPS で1株当たり配当 ÷ EPS を計算する。株価を使う PER は扱わない。
- 自己資本比率
- 資産に対する自己資本の割合。
- Vizora では: 有報の開示値を表示する。
事業と会社
- 数字で見ると
- 決算の中から条件に当てはまる特徴を短く示したコメント。
- Vizora では: 公開済みの決算 Snapshot を定型ルールで評価し、強さ順に最大 3 件を表示する。各コメントは参照した数値の出典を保持する。AI は文や数値を作らない。
- 複数年の変化
- 数年離れた決算どうしで、会社の規模や構成がどう変わったかを比べる方法。
- Vizora では: 最大 6 期の最古と最新を比較する。会計基準・通貨・連結範囲が異なる場合は増減率を省き、会計基準の変更年を示す。事業売上の構成は事業キーで接続し、構成比の増減や再編を別の流れとして示す。
- 業界内の5軸プロフィール
- 会社の成長・利益率・現金化・効率・財務余力を、同じ業界の企業と比較する表示。
- Vizora では: 主な業界内のパーセンタイルを軸ごとのドットプロットで表示する。主な業界は最新売上が最大の所属業界。数値または3社以上の比較対象がない軸は「データなし」とし、総合点は作らない。業界順位は投資推奨ではない。
- 事業売上 CAGR
- 複数年の事業売上から求める年平均成長率。
- Vizora では: 事業ごとの最古と最新の開示売上を比べ、2 年以上の履歴があり会計基準・通貨・連結範囲が一致する場合に計算する。
- セグメント(事業)
- 会社が事業ごとに分けて開示する売上・利益の単位。何で分けるか(製品・地域など)は会社が決める。
- Vizora では: 業界の分類はセグメント単位で行う。セグメントの売上は内部取引を含むことがあり、合計が会社全体と一致しないことがある。売上構成比は事業売上合計、利益構成比は黒字事業の利益合計に対する比率。赤字は別枠。差は利益構成比 − 売上構成比(pt)、利益率は事業利益 ÷ 事業売上。利益と出典の confidence(0.8 以上)が全事業で揃う場合だけ利益の比較を表示する。
- 連結
- 親会社と子会社をまとめて 1 つの会社として作った決算。
- Vizora では: 連結決算がある会社は連結の値を使う。平均年間給与・平均年齢は有報の決まりで提出会社(単体)の値。
- 売上 100 円の行き先
- 損益計算書を売上高 = 100 円に置き換え、原価・販管費・利益にいくらずつ分かれるかを見せる方法(百分比損益計算書と同じ考え方)。
- Vizora では: 1 円単位に丸め、合計がちょうど 100 円になるように端数を調整する。営業利益も計算に必要な開示値も得られない場合は省略し、その理由を表示する。銀行の業務粗利益は売上高と異なるため代用しない。
資産と負債
- 流動資産
- 1 年以内に現金化する予定の資産。
- Vizora では: 総資産以下かを検算し、開示が無ければ出さない。銀行・保険は対象外。
- 総資産
- 会社が保有する資産の合計。
- Vizora では: 負債合計と純資産の合計に一致するかを検算する。銀行・保険は新しい貸借対照表指標の対象外。
- 売上債権
- 商品・サービスを販売し、まだ回収していない代金。
- Vizora では: 日本基準の受取手形・売掛金、IFRS の営業債権等、US GAAP の売掛金を共通化する。
- 棚卸資産
- 販売する商品や製造途中の製品、原材料など。
- 有形固定資産
- 土地・建物・機械など、長期に使う有形の資産。
- 資産の重さ(有形固定資産 ÷ 売上高)
- 売上高に対して有形固定資産がどれだけあるかを表す比率。業界の事業構造によって水準が異なる。
- Vizora では: 業界中央値は有形固定資産と売上高が開示され、売上高 10 億円以上の会社を集計する。銀行・保険は対象外。
- 無形固定資産
- ソフトウェア・特許権など、形のない固定資産。
- Vizora では: IFRS でのれんと合算され、のれんも別開示される場合は差し引いて計算する。
- のれん
- 企業買収額と、取得した純資産の時価との差額。
- 投資有価証券
- 短期売買以外の目的で保有する株式や債券など。
- 流動負債
- 1 年以内に返済・支払いを予定する負債。
- 仕入債務
- 商品・サービスを仕入れ、まだ支払っていない代金。
- 有利子負債
- 利息の支払いが必要な借入金・社債など。
- Vizora では: 短期借入金・長期借入金・社債がすべて開示されている場合に合算する。IFRSで流動・非流動の小計が開示される場合はその合計を使う。リース負債は含めない。銀行・保険は対象外。
- ネットキャッシュ
- 現金及び現金同等物から有利子負債を差し引いた額。マイナスならネットデット。
- Vizora では: 現金または有利子負債のどちらかが不明な会社は表示しない。リース負債は有利子負債に含めない。
- ネットデット ÷ 営業CF
- 有利子負債から現金を引いたネットデットを、営業キャッシュフローで割った比率。
- Vizora では: 営業CF が正のときだけ計算する。負の値はネットキャッシュを示す。
- 短期借入金
- 1 年以内に返済する借入金。
- 長期借入金
- 返済期限が 1 年を超える借入金。
- 社債
- 会社が資金調達のために発行した債券。
- 負債合計
- 会社が将来返済・支払いをする義務の合計。
- Vizora では: 純資産と合計して総資産と一致するか検算する。
- 純資産
- 資産から負債を差し引いた残り。
- 資産・資金調達の構成
- 会社が保有する資産と、その資産を負債・純資産のどちらで調達したかを表した内訳。
- Vizora では: 開示項目を総資産に対する比率にし、表示値の合計は100%に丸める。確認できない部分はその他として差額表示する。銀行・保険は様式が異なるため対象外。
- 親会社株主持分
- 連結純資産のうち親会社の株主に帰属する部分。
- Vizora では: 直接開示がなければ純資産 − 非支配株主持分で計算する。
- 利益剰余金
- 会社に蓄積された過去の利益から配当などを差し引いた累計額。
- 自己株式
- 会社が買い戻して保有する自社の株式。
書類とデータ
- 有価証券報告書(有報)
- 上場企業が決算期ごとに金融庁へ提出する書類。事業の内容・財務諸表・大株主などが載る。
- EDINET
- 金融庁の開示書類の電子提出・閲覧の仕組み。有報はここで誰でも読める。
- XBRL
- 財務諸表の数字に、何の数字かを示すタグを付けた形式。機械で正確に読み取れる。
- Vizora では: 数値はすべて XBRL から取り込み、書類 ID と結び付けて保存している。
- 決算期・年度
- 決算の区切り。3 月末で締める会社が多い(2026 年 3 月期 = 2025 年 4 月〜2026 年 3 月)。
- Vizora では: 業界を年度で比べるときは、4 月〜翌 3 月に終わる決算を同じ年度にまとめる。