ベーシック株式会社ベーシック519A東証グロース情報・通信業2025年12月期, 単体, 日本基準
ベーシックの売上高は22.8億円です。
売上100円あたり約12円が営業利益として残ります。
前期から売上は+24.9%、営業損益は黒字に転じました。
数字で見ると
2025年12月期、現金は総資産の50%
開示された数値から自動で作った要約
銀行・保険、または最新期に必要な数値が揃わない会社では、一枚絵の代わりに損益の図を表示しています。
ベーシックが100円売ったとき、何にいくら使い、いくら残るか。
年度をそろえて、売上から粗利・本業の利益・純利益が残る割合を比較します。未開示の年度は線をつなぎません。
2024年12月期 → 2025年12月期
売上(銀行・保険は経常収益)は棒、各利益率とFCFマージンは折れ線です。年度をそろえて、事業規模と利益・現金の残り方を比べます。FCFは営業CFと投資支出から計算する場合があります。
前期比(2024年12月期 → 2025年12月期)
従業員数(連結) +1.9% · 売上(連結) +24.9%
| 指標 | 24/12 | 25/12 |
|---|---|---|
| 従業員数(連結) | 108 | 110 |
| 平均年間給与(提出会社・単体) | — | 647万円 |
| 平均年齢(単体) | — | 33.3歳 |
| 平均勤続年数(単体) | — | 4.9年 |
1人あたりの値は連結売上・利益を連結従業員数で割ったものです。平均年間給与・年齢・勤続年数は提出会社単体の値で、持株会社では本社の少人数の平均になることがあります。従業員数の定義は会社ごとに異なります。開示値から計算(DERIVED)。
この会社が出てくる業界地図。
直近の公開決算から、同じ主な業界の企業内での位置を示します。
点は各社の主な業界内での順位です。会社ごとに比較対象となる業界が異なる場合があります。値がない軸はデータなしと表示し、総合点は計算しません。業界順位は投資推奨ではありません。
同じ業界プロフィールの会社から、売上規模が近い企業を並べています。数値は各社の最新公開有報です。
| 会社 | 決算期 | 売上高 | 本業利益率 | 純利益率 | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 株式会社ベーシック | 2025 | 22.8億円 | 11.9% | 15.2% | 62.0% |
| ファーストアカウンティング株式会社 | 2025 | 23.7億円 | 12.3% | 8.5% | 57.3% |
| アイビーシー株式会社 | 2025 | 24億円 | 23.5% | 17.1% | 60.8% |
| 手間いらず株式会社 | 2026 | 24.1億円 | 72.4% | 48.6% | 93.2% |
| ポーターズ株式会社 | 2025 | 21.4億円 | 16.8% | 6.0% | 73.5% |
時価総額・PER・株価利回りはEDINETに含まれないため表示していません。会社ごとに決算期や会計基準が異なる場合があるので、期末と出典を確認してください。
ベーシックは東京都千代田区に本社を置く、2004年設立のソフトウェア・SaaSの会社です。連結の従業員は110人。東証グロースに上場しています。
出典: 有価証券報告書(S100XVIQ、2026年3月30日提出)。提出時点の情報で、その後の変更は反映していません。
会社が提出した有報の記述を、年度と出典を添えて確認できます。
提出日 2026-03-30 · 書類 S100XVIQ
3【事業の内容】 当社は「事業の成長を人の数で解決しない」を掲げるワークフローカンパニーとして、企業に存在する一連の業務プロセス(以下「ワークフロー」)を対象とし、その「見える化」「標準化」「自動化」(以下、「DX」(注1))を推進することで、人の作業を仕組みに置き換え、業務効率と生産性の向上を支援しております。 当社は創業以来、「問題解決の集団」として、情熱を妨げるあらゆる社会問題に挑み、多種多様な企業がその強みに集中できる世界を創造することを目的に、これまで50を超える事業を展開してまいりました。その中でも特に注力してきたのがマーケティングに代表されるフロントオフィス(注2)領域(マーケティング・営業・カスタマーサクセス(注3)等)のDXです。これらの領域は、部門間連携や情報共有が難しく、属人化しやすいという構造的問題を抱えております。当社は業務の非効率の解消こそが、日本企業の生産性を高める重要なテーマであると捉えております。 こうした課題認識のもと、当社は以下の2つのプロダクトを中心にフロントオフィス領域のDXサービスを展開してまいりました。 ・「ferret One」:Webサイトを起点にマーケティング業務に必要な機能群を有したBtoBマーケティングワークフローツール ・「formrun」:フォームを起点に、問い合わせや営業対応などの業務を管理運営するワークフローツール 両プロダクトはいずれも、企業活動における「情報入力の起点」を担い、「取得した情報を管理・運用」する仕組みを提供しております。 なお、当社はワークフロー事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。具体的なサービスの内容は以下のとおりです。 注1:Digital Transformationの略。デジタル技術を活用して、ビジネスモデルや業務プロセス、組織文化を根本から変革すること。単なるIT化(デジタライゼーション)ではなく、「デジタルによって競争優位や価値創出を実現する」こと。 注2:顧客と直接接点(顧客接点)を持ち、売上や顧客価値の創出に直結する業務領域を指し、営業・マーケティング・カスタマーサクセス・サポートなどの対顧客部門を含む。一方で、企業運営を支える管理・間接部門の総称で、経理、人事、総務、法務、情報システムなど、顧客と直接接点を持たないが組織の基盤を支える業務領域をバックオフィスという。 注3:顧客が自社の製品やサービスを通じて望む成果を実現できるように支援し、継続利用・満足度向上・解約防止を図る取り組み。 (1)主要なサービスの概要 ① ferret Oneの概要 「ferret」は、集客から商談化に至るまでのBtoBマーケティング領域に関わるワークフロー全体をDX化するサービスであり、マーケティングワークフローツール「ferret One」とプロフェッショナルサービス「ferret SOL」からなります。 主要プロダクト「ferret One」は、企業のBtoBマーケティング活動における集客・リード獲得・顧客育成・営業連携といった一連の業務をDX化するマーケティングワークフローツールです。従来、複数ツールや外注に分断されていた施策をひとつの流れとして管理し、業務が回る仕組みとしてのマーケティングを実現いたします。本ツールは、BtoBマーケティングに必要な機能をオールインワンで備え、ノーコードで編集可能なCMS(注4)と、使いやすさを重視したMA(注5)機能を中心に構成されております。 Webサイト制作・分析、メール配信、フォーム作成、顧客管理、AIによるコンテンツ生成等、マーケティング施策の実行に必要な要素を一つのプラットフォーム上で統合的に運用できます。 さらに、BtoBマーケティングに関するプロフェッショナルサービス(ferret SOL)を組み合わせることで、ツール活用から成果創出までを一気通貫で支援し、知識や人手が不足する企業においても、マーケティングを自走化できる環境を実現しております。サブスクリプション型の料金体系を採用し、ベンチャー企業から大企業の事業部単位まで幅広く利用されております。2025年12月末時点で、500社以上の顧客に利用されており、リード獲得効率の向上や営業受注率の改善等、マーケティングプロセス全体の生産性向上に貢献しております。 注4:Content Management Systemの略。Webサイトの文章や画像などのコンテンツを簡単に管理・更新できるシステム。 注5:Marketing Automationの略。顧客データを活用し、見込み顧客の獲得から育成までのマーケティング活動を自動化する仕組み。 (主要な機能) ■CMS(ノーコードで運用できるBtoB特化型CMS) パワーポイント感覚でWebページを作成・編集できる国産ノーコードCMSを採用しております。見出し・画像・フォーム等をドラッグ&ドロップで直感的に配置でき、HTML知識がなくてもサイト運用・LP(注6)作成・SEO(注7)・セミナー運営等を自社内で完結できます。BtoBマーケティングに特化したページ構成・CTA(注8)・フォーム・ポップアップ等を標準搭載し、業務が見える化、標準化されることで属人化しがちなサイト運用をチームで再現可能な仕組みとして提供しております。また、SEO順位チェック・アクセス解析・キャンペーン分析等運用に必要な分析機能も統合しております。 ■MA(誰でも使いこなせる国産MA) 「MAを使いこなせない」という企業の課題に対し、複雑な設定を排したシンプル設計で、メール施策やナーチャリング(注9)施策を標準化することで自走化できる機能を提供しております。フォーム送信内容に応じたメール自動振り分け、行動検知による通知、AIによる文面提案機能を搭載しており、専門人材がいなくても成果につながるマーケティング施策を継続実行できます。さらに、ferret Oneは特定の行動や条件をトリガーとして自動でアクションを起こすことに重きを置いた仕組み(例えば、フォーム送信や資料ダウンロードなどの行動をきっかけに、メールの配信や通知、データ連携を自動実施)を採用し、BtoB企業に適したシンプルなMA運用を実現できます。CMSとMAが一体化しているため、リード情報・行動履歴・サイトデータをツールをまたがず一元管理でき、施策の効果測定や改善サイクルを素早く回すことが可能です。 ■外部ツールとの連携(API連携による情報統合) Google広告・SNS・Salesforce・HubSpot・Marketo・Account Engagement・kintone等、主要なSFA(注10)/CRM(注11)/MAツールとのAPI(注12)連携が可能です。ferret Oneのフォームから取得したリード情報を外部ツールに自動連携し、マーケティング・営業・カスタマーサクセスの各部門でデータを円滑に活用できます。これにより、既存システムを維持したままワークフロー全体の効率化と情報共有の最適化を実現できます。また、トラッキングコード(注13)設置による行動データの共有・解析にも対応しており、マーケティングから営業、カスタマーサクセスまで一気通貫のデータ連携を支援いたします。 ■AI機能 ferret Oneに搭載されているAI機能は、マーケターが複雑なツールの操作や大量のルーティン業務に時間を取られないために、目的を伝えるだけで施策の示唆や実行を代わりに行う世界を目指して開発されております。 搭載されているAIエージェントはマーケティングワークフロー全体を支援しております。ブログ機能では、テーマ設計から構成案・本文作成・添削までをAIがサポートし、記事作成時間を約10分の1(注14)に短縮することができ、メール機能では、AIが過去の配信履歴や顧客属性をもとにナーチャリングシナリオを自動提案し、最適な配信設計を行うことができます。さらに、AIがペルソナ設計(注15)・マーケティング計画立案・サイト分析・改善案提示までを支援することができ、ツール内に蓄積されたデータを学習し続けることで、施策提案の精度を継続的に向上させることができると考えております。このような業務の自動化により、担当者は作業負荷を減らし、戦略立案や顧客理解等の業務に集中できる環境を実現しております。 注6:Landing Pageの略。広告や検索結果などからユーザーが最初に訪問するページで、特定の目的達成(資料請求・購入など)に誘導する。 注7:Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略。検索エンジン上で自社サイトを上位表示させ、自然流入を増やすための施策。 注8:Call To Actionの略。ユーザーに行動を促す要素で、「資料請求」や「問い合わせ」などのボタンやリンクを指す。 注9:見込み顧客や既存顧客との関係を継続的に育成し、適切な情報提供やコミュニケーションを通じて購買意欲やロイヤルティを高め、商談・契約・継続利用へと導く取り組み。 注10:Sales Force Automationの略。営業活動をデジタルで管理・自動化し、生産性と組織営業力を高める仕組み。 注11:Customer Relationship Managementの略。顧客情報を一元管理し、関係構築とLTV(顧客生涯価値)の最大化を図る考え方・仕組み。 注12:Application Programming Interfaceの略。異なるシステム間で機能やデータを連携させるための仕組み。 注13:Webサイト上のユーザー行動(閲覧・クリック・滞在時間など)を計測・分析するために埋め込まれる識別用コードで、アクセス解析や広告効果測定に利用される。 注14:当社試算では、記事1本あたり合計10.5時間(企画立案1時間・骨子作成4時間・原稿作成4時間・校閲/校正1時間・入稿0.5時間)を要していた工程が、AIが骨子作成までを自動化することで、原稿の肉付け作業のみの約1時間に短縮される。 注15:自社の理想的な顧客像を具体的な人物像として設定し、年齢・職業・課題・価値観・行動特性などを明確化することで、マーケティングや商品開発の方向性を顧客視点で最適化する手法。 ② formrunの概要 「formrun」は、顧客や候補者等からの情報入力を起点とするワークフロー全体をDX化するプロダクトです。問い合わせ、資料請求、応募等の入力を起点として、通知・担当アサイン・対応・完了記録までを一気通貫で管理できる仕組みを提供しております。これにより、人手を介さずに迅速かつ正確な対応が可能となり、従来分断されていたフォーム入力後の処理を統合的なワークフローとして再構築いたします。対応の抜け漏れや遅延を防ぎ、顧客対応・採用管理等、業務の効率化を支援いたします。2025年12月末時点で5,000社以上の顧客と累計では50万超のユーザーに利用されており、問い合わせ対応時間の削減や採用管理の効率化等、幅広い分野でのDX化を支援しております。 (主要な機能) ■ノーコードフォーム作成機能(誰でも簡単にフォームを構築できるノーコードツール) プログラミングの知識を必要とせず、誰でも簡単にフォームを作成・編集できるノーコードツールを備えております。ドラッグ&ドロップによる直感的な操作でフォームを構築することができ、問い合わせ、資料請求、応募、イベント登録等多様な用途に対応しております。40種類以上のテンプレートを標準装備しており、条件分岐・ファイルアップロード・EFO(注16)機能等、入力完了率を高めるための機能を包括的に提供しております。このように標準化されることで、非エンジニアの担当者でも迅速に高品質なフォームを設計でき、企業全体での業務スピード向上に寄与すると考えております。 ■業務ワークフロー管理(チーム対応の見える化・標準化・自動化を実現) フォームに入力された情報をもとに、問い合わせや応募、営業案件等の一連の業務プロセスを見える化し、チームで効率的に対応できる仕組みを提供しております。カンバン形式の管理画面上では、入力データが「未対応」「対応中」「完了」等のステータスに自動分類され、担当者のアサイン、コメント記入、ファイル添付等を容易に行うことができます。また、メール自動返信やSlack等への通知機能を組み合わせることで、対応漏れや遅延を防止し、顧客体験の品質向上を実現いたします。このように、formrunは属人化しがちな対応業務をDX化し、組織全体で一貫性のある業務運営を可能にしております。 ■アプリ拡張機能(用途に応じて機能を追加できる拡張モジュール) formrunは、業務に応じて機能を拡張できる「アプリ機能」を提供しております。通知設定、決済、日程調整、データ出力、分析等を必要に応じて追加でき、フォーム入力後の業務プロセスを柔軟にカスタマイズできます。 主なアプリとして、決済機能、日程調整機能(当社の日程調整ツール「bookrun」による面談・商談スケジュール管理)、自動返信メール機能、通知機能、外部出力・CRM連携、分析・タグ管理機能等が挙げられます。これらを組み合わせることで、企業固有のワークフローをノーコードで柔軟に構築できます。 ■AIメールアシスタント機能(問い合わせ対応の品質とスピードを飛躍的に向上) 生成AIを搭載したメールアシスタント機能を2025年6月から提供開始いたしました。ユーザーが入力した文章を基に、敬語表現やトーン・明確さなどをAIが自動チェック・改善案を提示し、そのままメール文面として反映できる設計としております。これにより、問い合わせ対応時間の大幅な短縮が可能となり、担当者の作業負荷も削減できます。さらに、担当者による文面格差を抑制し、応答品質の均一化・顧客体験の向上にも寄与いたします。 注16:Entry Form Optimizationの略。Webサイトの入力フォームを最適化し、離脱率を下げてコンバージョン率を高める施策。 ③ プロフェッショナルサービスの概要 当社は、プロダクトの提供にとどまらず、企業がフロントオフィス領域(マーケティング・営業・カスタマーサクセス等)のDXを確実に実現できるよう、「ferret SOL」等のプロフェッショナルサービスを展開しております。 ノーコードのプロダクトは誰でも扱うことができますが、業務プロセスを抜本的に変革するためには、課題定義から設計・運用定着に至るまでの体系的な支援が不可欠であると考えております。 当社の専門チームは、導入初期には業務課題や組織体制を分析し、最適な運用設計を支援することで、最短距離での立ち上げを実現いたします。導入後は、専任担当が伴走しながらツール活用を定着させ、マーケティング・営業・カスタマーサクセス等部門横断での活用を支援いたします。さらに、戦略設計・コンテンツ企画・運用改善等を一気通貫で支援し、課題発見から施策実行までを自社で再現・運用できるよう導く、成果直結型のコンサルティングサービスを提供しております。 これらの取り組みを通じて、当社はプロダクトの導入から運用・成果定着までを一気通貫で支援し、単なるツール提供にとどまらず、お客様自身が「業務を簡単に回せる環境」を構築できるよう支援することを目指しております。 (2)収益モデル 当社は、主要プロダクトである「ferret One」及び「formrun」の提供を通じて、継続的かつ多様な収益を獲得しております。収益形態は大きく、①月額課金によるサブスクリプション型と、②導入支援や運用コンサルティング等プロフェッショナルサービスを中心としたソリューション型に分類されます。 このうち、サブスクリプション型収益は当社全体売上高の約8割(2023年12月期:75.67%、2024年12月期:77.68%、2025/12期:76.76%)を占めており、契約期間中は継続的な利用料が発生する仕組みであることから、安定的なストック収益として当社事業の基盤を構成しております。一方、ソリューション型収益は、導入・運用フェーズにおける支援ニーズに対応し、顧客企業の成果創出を支援すると同時に、当社プロダクトの利用定着とLTV(注17)の向上に寄与する成長ドライバーの役割を担っております。 注17:Life Time Valueの略。顧客生涯価値。顧客が取引を開始してから離脱するまでの期間に企業にもたらす総利益を指し、顧客価値を長期的に評価する指標。 (3)事業系統図
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針 当社は、労働力人口が減少する時代において、ワークフローのDX化により社会・組織の変革を牽引するワークフローカンパニーです。人に依存した従来型の成長モデルから脱却し、仕組みとAIによる持続的な成長モデルへの転換を推進しております。 日本社会では、労働人口の減少により人材不足が常態化する一方で、企業内部には属人化したオペレーション、手作業、部門間の分断が依然として残存しております。これらは企業成長における品質低下やコスト増加の要因であり、単なる人員増強や個別アプリケーションの導入だけでは根本的な解決に至らないと考えております。当社は、こうした構造的な非効率を是正するために、業務プロセスそのものの「見える化」「標準化」「自動化」が不可欠であると考えております。 近年では、AIやノーコード技術の進化により、これまで人手に頼らざるを得なかった業務の自動化・最適化が現実的な選択肢となりつつあります。当社は、こうした技術革新を取り込み、ワークフローの「見える化」「標準化」「自動化」をさらに高度化することで、AIが業務を自律的に駆動する次のフェーズ(AX(注1)化)へと事業を発展させていく方針です。 私たちは、「事業の成長を人の数で解決しない」という理念のもと、AIと人が協働する新しい働き方を創造し、生産性向上と人間らしい働き方の両立を実現してまいります。 注1:AI Transformationの略。AI(人工知能)技術を活用して、業務プロセス・意思決定・ビジネスモデルを抜本的に変革し、生産性や価値創出のあり方を再定義すること。 (2)経営環境 当社が属する国内のSaaS市場は、DXへの取り組みの拡大を主要因として、年平均成長率(CAGR)10%以上で拡大し続けており(富士キメラ総研『ソフトウェアビジネス新市場 2024年版(2024年7月19日発刊)』)、主力プロダクトである「ferret One」と「formrun」も市場シェアを維持できれば、今後も堅調な成長が見込めると考えております。 また、我が国においては、少子高齢化に伴う労働力人口の減少が不可避の構造的な問題となっております。生産年齢人口は2032年、2043年にはそれぞれ7,000万人、6,000万人を割り、2060年前後には5,000万人を下回る等、今後数十年にわたり縮小が見込まれており、企業における労働生産性の向上は一層重要性を増しております(国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口(令和5年』)。 こうした環境下において、単一機能の効率化を目的としたサービスではなく、業務プロセスを見える化・標準化した上で自動化を進め、限られた人材リソースを効率的に活用する仕組みが強く求められてくると当社では考えます。実際に、AIを活用したワークフロー自動化・統合管理の分野の世界的な需要が急速に拡大しており、TechNavio社の2025年7月の調査レポート「AI Workflow Orchestration Market Analysis, Size, and Forecast 2025-2029」によれば、同市場は2024年から2029年にかけて年平均約32%で成長し、約140億米ドルの拡大余地があるとされております。 当社のワークフロー事業は、こうした構造的な社会問題と世界的潮流の双方を背景に、持続的な成長が期待される領域であると考えております。 (3)経営戦略等 当社はこれまで、「ferret One」と「formrun」という2つのプロダクトを中心に事業を拡大してまいりました。今後も、既存事業の成長性・収益性をさらに高めるため、当社の競争上の差別化要因である①事業創出力、②生産性・組織運営力、③顧客基盤、④ナレッジマネジメント力、⑤誰でも扱えるプロダクト開発文化の5つを強化し、継続的な成長を実現してまいります。さらに、成長戦略として、オーガニック成長、コンパウンド戦略、既存大手顧客深耕という3つの柱を掲げ、持続的かつ複合的な成長を推進してまいります。 ≪差別化要因≫ 1 事業創出力 当社は創業以来、社会課題の変遷に応じて50を超える事業を展開してまいりました。この過程で培った課題起点の事業開発力、ならびに小さく生まれた事業を大きく成長させる組織運営力を強みとしております。これらの知見を活かし、既存事業の高度化だけでなく、AI時代における業務自動化需要の高まりに対応した新規事業開発を継続し、将来の収益基盤を創出してまいります。 2 生産性・組織運営力 当社は自社ワークフローツールおよびAIを活用することにより、社内の業務効率化を継続的に実現してまいりました。社内アンケートでは従業員の100%がAIを活用しており、約70%が自ら業務効率化のための自動ワークフローを構築しております。その結果、直近1年間(2024年12月31日時点から2025年12月31日時点)で一人当たり売上高(注2)は約20%改善しており、高い生産性を維持しております。今後もこの高効率な組織運営を強みに、収益性の向上と安定的な成長を目指します。 3 顧客基盤 当社は「ferret One」「formrun」を中心に、無料を含む累計50万ユーザー超、有料顧客では5,500社超の顧客基盤を保持しております。これらの顧客基盤は、フロントオフィスのデジタル化(DX)から業務自動化(AX)まで幅広く展開するうえで重要な資産であり、既存プロダクトのアップセル(注3)や新規プロダクトとのクロスセル(注4)による成長機会をもたらしております。 4 ナレッジマネジメント力 当社では、現場で得られる知識やノウハウを形式知化し、全社で共有する文化が確立されています。この文化が、生成AIやワークフロー自動化ツールを活用するうえで重要な基盤となり、顧客への価値提供力を高めるだけでなく、当社自身の業務効率化にも寄与しております。今後もナレッジベースの強化を進め、AI活用の高度化を図ってまいります。 5 誰でも扱えるプロダクト開発文化 当社は、日本企業の商習慣や業務特性に適合した「誰でも扱える」プロダクト開発文化を強みとしております。複雑さを排した直感的なUI、国内コンプライアンス要件に対応したセキュリティ設計、稟議・申請・権限管理といった日本特有のワークフローへの適合性を重視し、専門人材を必要とせず現場主導で運用できる点が特徴です。現場の声を迅速に反映する改善プロセスを通じて、使いやすさを実現しており、幅広い企業への普及を支える競争優位となっております。 ≪成長戦略≫ 当社は、上記要因を基盤として、以下の3つの成長戦略を推進してまいります。 1 オーガニック成長(顧客基盤の強化) 既存チャネルの最適化、新チャネルの開拓、DX文脈の業務効率化ニーズへの対応などにより、安定的な新規顧客獲得を継続してまいります。また、既存プロダクトにおけるAI機能強化や機能拡張を通じてアップセル機会を創出し、MRRの継続的な成長を図ってまいります。 2 コンパウンド戦略(既存顧客への新プロダクト連携提供) 当社は、創業以来50を超える事業を立ち上げてきた新規事業開発力を背景に、AIを活用した自律的なワークフロー自動化(AX化)を推進しております。その第一歩として、新規事業開発力を活かし、導入者自身が業務プロセスを設計できるワークフロー構築ツール「workrun」及び、高度なワークフロー構築が可能なAIプラットフォーム「AIBOW」の正式版の提供を2026年1月に開始しております。さらに、RAG(注5)技術を活用したAIチャットボットツール「askrun」の提供に向けて開発を進めております。これらの新サービス群により、複数ツールや部門をまたぐ業務の統合・自動化を実現し、あらゆる企業がAIと共に自律的に業務を進化させる環境を提供してまいります。 また、当社の強みは、こうした新規プロダクトを「ferret One」「formrun」が形成するフロントオフィスDX基盤と連携させ、複数プロダクトを共通基盤上で統合的に活用できる点にあります。AIが各ツール間のデータを接続し、自律的な判断を加えることで、部門横断のワークフローを一貫して最適化することが可能となります。これにより、顧客企業は業務効率化と成果創出の双方を同時に実現でき、当社としてもクロスセル・アップセルを通じた複合的な成長機会の拡大につながります。 3 既存大手顧客深耕による成長(高単価顧客の創出) 従業員数100名以上の企業の取引数が1,000社規模に到達しており、大企業向けの業務自動化ニーズの高まりを背景に、専任組織を設置し深耕を進めてまいります。2027年以降は、大手企業の業務横断的な課題に対し、AIワークフローを活用した高度な自動化提案を行うことで、高単価顧客の創出を進め、収益基盤をさらに強固なものにしてまいります。 注2:当社では、直近3カ月平均の売上高を、正社員および契約社員の直近3カ月平均の人数で割って算出。従業員一人あたりが創出する売上効率を示す。 注3:顧客に対して、現在利用している商品・サービスよりも上位グレードや高価格帯のプランを提案し、より高い価値提供と売上向上を図る取り組み。 注4:顧客が利用中の商品・サービスと相性の良い関連商材や追加サービスを提案し、顧客価値の拡大と取引額の増加を目指す取り組み。 注5:Retrieval-Augmented Generation(検索拡張生成)の略。生成AIが回答を生成する際に、外部データベースやドキュメントから関連情報を検索(Retrieval)し、その情報を参照しながら生成(Generation)する手法で、精度向上・ハルシネーション(もっともらしい嘘)抑制・最新情報の反映を実現する。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は主に「ferret One」、「formrun」をサブスクリプションモデルで提供しているため、毎月経常的に得られる月額利用料の積み上がり状況の指標であるMRR(注1)の拡大を重要な経営指標としております。その達成状況を判断する上で、有料顧客(ユーザー)数、顧客(ユーザー)単価、解約率もモニタリングをしております。 注1:Monthly Recurring Revenueの略で、「月次経常収益」や「月間定期収益」のように、毎月繰り返し得ることのできる月額利用料を指します。formrun及びbookrunの月額利用料については、財務会計上は日次ベースで計上しておりますが、本資料では当該日次計上に関する決算調整前の管理会計上の数値である月額利用料を用いております。 重要な経営指標であるMRRの推移は以下のとおりであります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ① 提供するサービス、プロダクトの強化 当社が持続的に事業成長を実現するためには、既存サービス・プロダクトの付加価値向上が不可欠であると認識しております。そのため、研究開発や機能改善を継続的に行い、ユーザー体験を高めるとともに、業務効率化や成果最大化に直結するサービス品質の向上に取り組んでまいります。 ② 優秀な人材の確保と育成 優秀な人材の確保・育成は、当社の競争力を維持・強化する上で最も重要な経営資源であります。採用にあたっては能力に加え、当社のコンピテンシーやミッション・ビジョンとの親和性を重視し、長期的に活躍できる人材を獲得してまいります。また、教育研修やキャリア開発の機会を拡充し、人材と組織が共に成長できる環境づくりを進めてまいります。 ③ 企業認知度・サービスの知名度の向上 当社が提供するサービスの競争力を高めるためには、利便性や品質の向上に加え、サービス及び当社自体の認知度を拡大し、利用者基盤を広げていくことが重要であります。そのため、広告宣伝や広報活動を含むブランディング施策を強化し、顧客の獲得及び人材採用における魅力度向上を図ってまいります。 ④ 経営体制及びコーポレート・ガバナンスの強化 当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するため、経営の公正性・透明性を確保しつつ、意思決定プロセスの高度化、内部管理体制の整備、事業運営の効率化を推進してまいります。 ⑤ 財務上の課題 当社は、2025年12月期において、営業利益・経常利益ともに黒字を計上しており、本書提出日現在において対 処すべき財務上の重要課題はございません。ただし、今後の事業拡大に備えて、更なる内部留保資金の確保等に より、引き続き財務基盤の強化に努めてまいります。
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生する可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではなく、また、不確実性を内在していることから、実際の結果とは異なる可能性があります。記載された事項以外の予見できないリスクも存在いたします。このようなリスクが現実化した場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 なお、リスクの発生時期につきましては、合理的に予見することが困難であるため具体的には記載しておりません。 (1)市場環境について(発生可能性:低、影響度:大) 当社が属する国内のSaaS市場は、DXへの取り組みの拡大を主要因として、年平均成長率(CAGR)10%以上で拡大し続けており(富士キメラ総研『ソフトウェアビジネス新市場2024年版(2024年7月19日発刊)』)、主力プロダクトである「ferret One」と「formrun」も市場シェアを維持できれば、今後も堅調な成長が見込めると考えております。 我が国においては、労働力人口の減少が進行する中で、企業における労働生産性の向上が喫緊の課題となっております。これに伴い、業務プロセスのDXの需要は引き続き拡大しております。当社が主に展開する領域においても、部門ごとに分断されがちな業務プロセスを全体として統合・最適化する「業務プロセス全体のDX」への関心が高まっていると考えます。 このように、市場全体の需要は中長期的な成長が見込まれますが、国内外の経済情勢、企業のIT投資方針の変化、または景気動向の悪化等により、企業のデジタル関連投資やマーケティング支出が抑制される場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対して、当社では市場動向を日々注視しながら、適宜当社の経営戦略に織り込み柔軟に対 応できる体制構築に努めてまいります。 (2)競合他社の動向について(発生可能性:低、影響度:大) 当社の主力サービスである「ferret One」及び「formrun」については、それぞれの領域において独自の価値提供を行っており、一定の優位性を有していると認識しております。一方で、同様のサービスを提供する企業は既に存在しており、今後は新規参入の増加を含め、競争環境が一層激化する可能性があります。当社は、サービスの機能強化や利便性の向上、ブランド認知の拡大などを通じて他社との差別化を図る方針ですが、競合企業の営業方針、価格設定、提供する製品・サービス等の変化・強化により、当社が効果的な差別化を行えない場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対して、当社では競争環境の変化を継続的に把握するとともに、顧客ニーズを踏まえたサービスの機能改善及び付加価値の向上に取り組み、競争力の維持・強化に努めてまいります。 (3)技術革新について(発生可能性:中、影響度:大) 当社の事業領域は、AIの進化に代表されるように技術革新が極めて早く、顧客ニーズも急速に変化しております。当社の競争優位を維持するためには、これらの変化に即応し、新技術を活用したサービス開発・提供を継続する必要があります。当社では、外部研修を含む人的投資を積極的に行い、技術動向の把握及び実務適用に努めております。しかしながら、開発リソースの制約や新技術の成熟度、法的・制度的な不確実性等により、AI技術の進展への対応が遅れた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に生成AI分野では、著作権や学習データの適法性・透明性、生成物の権利関係などに関する法的整理が進行中であり、将来的な規制強化等により、当社サービスの見直しを迫られる可能性があります。また、AIの出力結果の正確性や信頼性の確保、生成物の不適切利用に伴う信用リスクも存在します。当社では、AIの利用範囲と運用ガイドラインを整備し、顧問弁護士と連携したリスクモニタリング体制を構築することで、これらのリスクの低減を図っております。 (4)システム障害について(発生可能性:中、影響度:大) 当社事業は通信ネットワークやサーバー等のネットワーク機器の作動環境に依存しております。当社が構築しているコンピュータ・システムは、適切なセキュリティや保護手段を講じております。しかしながら、自然災害や不正アクセス、電力供給の制約又は停止等によって通信ネットワークの切断やネットワーク機器の障害が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5)特定サービスへの依存について(発生可能性:中、影響度:大) 当社の売上高は現在、「ferret One」及び「formrun」という二つの主力プロダクトに大きく依存しております。当社はこれらのプロダクトにおいて、単体機能の強化やUI/UXの改善にとどまらず、フロント領域からバックオフィス領域に至るまでを対象としたワークフロー全体の最適化を実現するプロダクト開発を進めております。顧客の業務プロセス全体を支援する体制を整えることで、対象顧客層の拡大と競争力の向上を図っております。しかしながら、今後、競合サービスとの競争激化等により当該主力サービスの売上高が大幅に減少した場合には、特定サービスへの依存度が高いことから、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)新規プロダクトの開発・市場展開について(発生可能性:中、影響度:中) 当社は2026年1月に新規プロダクトとして導入者自身が業務プロセスを設計できるワークフロー構築ツール「workrun」、高度なワークフロー構築が可能なAIプラットフォーム「AIBOW」をリリースしております。また、AIチャットボットツール「askrun」もリリースに向けて開発を進めております。これらは既存プロダクトと親和性を有しておりますが、必ずしも同じ市場領域に限定されないため、顧客ニーズや需要動向について調査を継続している状況です。開発スケジュールの遅延、機能品質の不足等により、予定どおりのリリースや顧客獲得が進まず、採算性が確保できないなど、新規プロダクト特有の不確実性が存在します。当社は、開発マイルストーンの管理、先行導入や初期導入企業との共創等を通じてリスク低減に努めておりますが、新規プロダクト特有の不確実性を解消できない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)法令について(発生可能性:低、影響度:中) 当社は、企業活動に関わる各種法令の規制を受けております。現在のところ、当社事業に対する各種法規制の強化等が行われるという認識はありませんが、顧問弁護士との連携により最新の法改正動向を把握し、外部研修の受講や社内研修の実施を通じて、法令順守体制の強化に努めてまいります。今後国内において新たにプライバシー関連法規の制定やインターネット関連事業者を規制する新たな法律等による法的規制の整備・強化がなされた場合、当社の業務が一部制約を受け、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8)情報セキュリティ及び個人情報等の漏洩について(発生可能性:低、影響度:大) 当社が取得した個人情報については、外部漏洩や不正利用等の防止のため、情報セキュリティ基本方針を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理・保護しております。また、当社のセキュリティ体制として、プライバシーマーク及びISMS(ISO27001)を取得しており、定期的な脆弱性診断を行う等、セキュリティ改善活動を行っております。しかしながら、悪意あるハッキングやコンピューターウィルス等により、当社が保有する個人情報が漏洩、盗用等される可能性を完全に排除することは困難であります。当社が保有する個人情報が漏洩、盗用等されることとなった場合、当社の社会的信用が失われるとともに、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9)知的財産権について(発生可能性:低、影響度:中) 当社は、当社の提供するサービスが第三者の技術・商標等の知的財産権を侵害しないように留意しており、開発段階において採用したビジネスモデルや技術等については、必要に応じて適切な調査を実施しております。当社は現在まで第三者の知的財産権を侵害したとして損害賠償や使用差止めの請求を受けたことはありませんが、第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社が認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。このような場合、当社に対する訴訟等が発生し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10)特定人物への依存について(発生可能性:中、影響度:大) 当社の代表取締役である秋山勝は当社の創業者であり、創業以来代表取締役を務めており、当社の経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。当社では同氏に過度に依存しないよう、内部管理体制の整備、権限の移譲、人材の育成等体制の整備に努めております。しかしながら、何らかの理由により同人が当社の業務を継続することが困難になった場合には、当社の事業運営、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (11)人材の獲得及び育成について(発生可能性:中、影響度:中) 優秀な人材を確保することは当社の継続的な成長に必要不可欠なものと考えております。優れた能力であることはもちろん、当社で掲げているコンピテンシーとの親和性を重視した人材の選考を心がけており、企業文化やミッション・ビジョンを共有し、長期的に勤務できるような組織づくりを目指しております。また、社内の教育制度を強化することで、人材と企業とが共に成長していくことを目指してまいります。しかしながら、人材の育成・獲得が円滑に進まない場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対して、当社では採用活動の強化及び教育・育成制度の充実を図るとともに、働きやすい職場環境の整備を通じて、人材の定着と能力向上に努めてまいります。 (12)内部管理体制の強化について(発生可能性:低、影響度:低) 当社は、現在の事業規模に応じた内部管理体制を整備・運用しており、今後は事業規模の拡大に合わせ、内部管理体制も強化させていく方針であります。しかしながら、事業規模の拡大及び人員の増加に合わせ、適時に内部管理体制の強化ができなかった場合、適切な事業運営が行えず、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対して、当社では事業規模や組織体制の変化に応じて、内部管理体制の継続的な見直し及び強化に努めてまいります。 (13)コンプライアンス体制について(発生可能性:低、影響度:中) 当社はコンプライアンス体制の強化に取り組んでいるものの、コンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対して、当社ではコンプライアンス意識の浸透を図るための教育及び体制整備を継続的に実施し、リスクの未然防止に努めてまいります。 (14)税務上の繰越欠損金について(発生可能性:中、影響度:中) 当社は、2025年12月期末時点で、税務上の繰越欠損金が存在しております。そのため、現在は通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課せられておりません。今後当社の業績が順調に推移することにより、繰越欠損金が解消した場合は、課税所得に対して通常の法人税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課されることとなり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対して、当社では将来の課税負担を見据えつつ、安定的な収益基盤の構築及び財務状況の健全性維持に努めてまいります。 (15)配当政策について(発生可能性:低、影響度:低) 当社は、株主に対する利益還元を経営上の重要な経営課題と位置づけておりますが、当面の間は内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当することが、株主に対する利益還元につながるものと考えております。将来的には、各事業年度の財政状態及び経営成績を勘案しながら株主に対して配当による利益還元を検討していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。 (16)ベンチャーキャピタル等の当社株式保有割合について(発生可能性:高、影響度:中) 本書提出日現在における当社の発行済株式総数は5,903,895株であり、このうちベンチャーキャピタルが組成した投資事業有限責任組合(以下、「VC等」という。)が保有する株式数は548,146株と、当社株式の公募増資前の発行済株式総数に対する割合は9.3%となっております。一般に、VC等が未上場会社の株式を取得する場合、上場後に保有株式を売却しキャピタルゲインを得ることがその目的のひとつであり、当社の株式上場後において、VC等が保有する当社株式の一部または全部を市場にて売却した場合には、当社株式の需給バランスが短期的に損なわれ、株価の形成に影響を及ぼす可能性があります。 (17)調達資金の使途について(発生可能性:中、影響度:中) 公募増資による調達資金については、優秀な人材確保のための採用に加えて、積極的な教育・育成等の人員への投資、プロダクト開発への投資、及び広告宣伝費用に充当する予定であります。しかしながら、当初の計画に沿って調達資金を使用した場合でも、想定した投資効果が得られない可能性があります。なお、市場環境の変化等により、調達資金を上記以外の目的で使用する可能性が発生した場合には、速やかに変更について開示を行う予定であります。
(2)【役員の状況】 ① 役員一覧 男性5名 女性0名(役員のうち女性の比率0%) 役職名 氏名 生年月日 略歴 任期 所有株式数 (株) 代表取締役 秋山 勝 1972年2月7日生 1995年6月 正和商事株式会社 1999年11月 株式会社グッドウィル・コミュニケーション(現マスターピース・グループ株式会社) 2001年11月 トランス・コスモス株式会社 2004年3月 株式会社ベーシック設立 代表取締役(現任) (注)3 2,257,185 (注)5 取締役 早見 泰弘 1972年11月8日生 1996年7月 株式会社イニット設立 代表取締役 2004年12月 トランス・コスモス株式会社 2005年4月 同社執行役員 2006年6月 同社常務執行役員 2014年2月 株式会社ワイズ設立 代表取締役(現任) 2018年3月 当社社外取締役(現任) (注)3 30,000 (注)5 取締役 (常勤監査等委員) 畠山 清治 1953年2月16日生 1975年4月 東洋ガラス株式会社 2004年6月 ネットワークサービスアンドテクノロジーズ株式会社(現ネットワンシステムズ株式会社)取締役 2007年6月 同社監査役 2012年6月 株式会社スタートトゥデイ(現株式会社ZOZO)社外監査役 2015年6月 同社監査役 2020年7月 当社社外取締役(監査等委員)(現任) 2020年8月 株式会社ペイロール取締役 (注)4 3,450 取締役 (監査等委員) 大西 秀亜 1964年3月7日生 1986年4月 株式会社富士銀行 1999年12月 富士キャピタルマネジメント株式会社(現 MCPパートナーズ株式会社)インベストメント・オフィサー 2002年2月 株式会社リンク・セオリー・ホールディングス(現株式会社リンク・セオリー・ジャパン)取締役 2009年9月 株式会社ファーストリテイリング執行役員CFO 2011年4月 株式会社アバージェンス代表取締役(現任) 2011年6月 合同会社インテグリティ共同代表(現任) 2016年3月 ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社 社外取締役(現任) 2016年3月 当社社外取締役 2018年4月 当社社外取締役(監査等委員)(現任) 2021年4月 株式会社キューブ取締役(現任) 2022年5月 アークランドサカモト株式会社(現アークライズ株式会社)社外取締役(監査等委員) 2023年1月 アズカルアセットマネージメント株式会社社外取締役(現任) 2024年1月 クラシコ株式会社社外取締役(現任) (注)4 20,760 (注)5 取締役 (監査等委員) 菅沼 匠 1981年2月16日生 2002年10月 監査法人トーマツ(現:有限責任監査法人トーマツ)入所 2004年12月 株式会社ジャスダック証券取引所(現:株式会社日本取引所グループ)出向 2005年5月 公認会計士登録 2006年12月 クックパッド株式会社 2012年12月 弁護士登録 2015年12月 リンクパートナーズ法律事務所設立 代表パートナー(現任) 2016年7月 当社社外監査役 2017年5月 株式会社ダブルエー社外取締役(現任)(現:監査等委員) 2018年4月 当社社外取締役(監査等委員)(現任) 2018年12月 株式会社jig.jp社外取締役(現任) 2020年9月 株式会社Arent社外監査役(現任) (注)4 3,450 計 2,314,845 (注)1.取締役の早見泰弘は、社外取締役であります。 2.取締役(監査等委員)の畠山清治、大西秀亜及び菅沼匠は、社外取締役であります。 3.取締役の任期は2025年12月期に係る定時株主総会終結の時から2026年12月期に係る定時株主総会の終結の時までであります。 4.取締役(監査等委員)の任期は2025年12月期に係る定時株主総会終結の時から2027年12月期に係る定時株主総会の終結の時までであります。 5.代表取締役 秋山勝の所有株式数は、同氏の資産管理会社である株式会社SMKが保有する株式数を含んでおります。取締役 早見泰弘の所有株式数は、同氏の資産管理会社であるイーグルキャピタル株式会社が保有する株式数を含んでおります。取締役 大西秀亜の所有株式数は、同氏の資産管理会社である株式会社泉新キャピタルが保有する株式数を含んでおります。 6.当社では、権限移譲による意思決定及び業務執行の迅速化、監督機能と業務執行機能の分離による取締役会の活性化のため、執行役員制度を導入しております。本書提出日現在における取締役でない執行役員の総数は4名で、コーポレート部門長の清水英次、ferret事業部長の秋在淳、run事業部長の関根裕則、谷本秀吉で構成されております。 ② 社外役員の状況 当社の取締役5名のうち、早見泰弘、畠山清治、大西秀亜及び菅沼匠は社外取締役であります。当社は、社外取締役である早見泰弘、畠山清治、大西秀亜及び菅沼匠を株式会社東京証券取引所に独立役員として届け出る予定でおります。 社外取締役の早見泰弘は、会社経営の豊富な経験と幅広い見識を有していることから、当社の経営判断への助言・提言及び業務執行の監督に適しているため、経営陣とは独立した立場からの経営の監督を期待し選任しております。なお、同氏は、当社の新株予約権(新株予約権の目的となる株式の数3,600株)及び当社の株式を30,000株保有しておりますが、それ以外に当社との間に人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。 社外取締役(常勤監査等委員)の畠山清治は、取締役、監査役を歴任しており、ガバナンス体制の強化、向上及びリスク管理の実効性の確保に関して適切なアドバイスを期待できるものであります。なお、同氏は、当社の新株予約権(新株予約権の目的となる株式の数3,600株)及び当社の株式を3,450株保有しておりますが、それ以外に当社との間に人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。 社外取締役(監査等委員)の大西秀亜は、株式会社リンク・セオリー・ホールディングス(現株式会社リンク・セオリー・ジャパン)、株式会社ファーストリテイリングのCFOを歴任しており、財務及び会計に関する相当程度の知見を有するものであります。なお、同氏は、当社の新株予約権(新株予約権の目的となる株式の数3,600株)及び当社の株式を20,760株保有しておりますが、それ以外に当社との間に人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。 社外取締役(監査等委員)の菅沼匠は、弁護士及び公認会計士の資格を有しており、法務、財務及び会計に関する相当程度の知見を有するものであります。同氏が議決権の過半数を有する法律事務所は、当社が提供する「ferret One」を契約・使用しており、関連当事者取引が発生しておりますが、定価での利用であるため、利益相反取引が生じる恐れはございません。また、同氏は、当社の新株予約権(新株予約権の目的となる株式の数3,600株)及び当社の株式を3,450株保有しております。前述以外に当社との間に重要な人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。 当社は、社外役員を選任するための独立性に関する基準又は方針は特に定めておりませんが、選任にあたっては会社法及び株式会社東京証券取引所が指定を義務付ける一般株主と利益相反が生じる恐れのない独立役員の独立性に関する判断基準等を参考とし、高い専門性や豊富な経営経験を有していること等の検討を行っております。 ③ 社外取締役(監査等委員)による監督又は監査と内部監査、監査等委員監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係 社外取締役への情報提供は、取締役会事務局が中心となって行っており、取締役会資料その他の情報を適宜、社外取締役に提供しております。 また、社外取締役(監査等委員)は、随時内部監査担当者による内部監査に関する報告を求めることができるほか、社外取締役(監査等委員)と内部監査担当者は、内部監査について実施状況の報告や情報交換を行っております。また、社外取締役(監査等委員)と内部監査担当者、会計監査人は、監査の状況や結果等について情報交換を行い、相互連携を図っております。
2【沿革】 当社の代表取締役である秋山勝は、「問題解決の集団」として社会に存在する非効率の解消を志し、2004年3月に当社を創業いたしました。創業当初より、仕組みとテクノロジーの力を用いて、誰もが成果を上げられる環境をつくることを使命としてまいりました。 事業活動を通じて多様な企業の課題解決に取り組む中で、日本企業が直面する本質的な課題は「人手不足」にあるとの認識に至りました。労働人口が減少する社会において、事業成長を人員増加に依存することは、もはや持続的ではないと考えております。このような背景のもと、当社はパーパスとして「事業の成長を人の数で解決しない」を掲げ、仕組みとテクノロジーによって業務プロセス(ワークフロー)そのものを変革することを目指しております。 設立以後における当社の経緯は、次のとおりであります。 年月 事業の変遷 2004年3月 東京都千代田区平河町にて株式会社ベーシック設立 2004年5月 引越し一括見積もり比較「引越しネット」サイトオープン 2007年7月 キーワード検索エンジン「Ferret」サイトオープン 2008年6月 マーケティングツール「Ferret PLUS」サイトオープン 2009年3月 SEOサービス「Ferret SEO」サイトオープン 2009年11月 本社を千代田区一番町に移転 2010年1月 ホームページ無料作成ツール「Ferret Web」リリース 2014年9月 Webマーケティングメディア「ferret」オープン 2014年10月 マーケティングオートメーションツール「Homeup!」β版リリース 2016年7月 マーケティングオートメーションツール「Homeup!」を「ferret One」へ改称 2017年12月 「formrun」を運営するmixtape合同会社を完全子会社化 2018年6月 「formrun」事業をmixtape合同会社から当社へ事業譲渡(※1) 2020年12月 比較メディア事業を売却 2021年6月 「formrun」の累計ユーザー数が100,000ユーザーを突破(※2) 2021年9月 「ferret One」の累計顧客数が1,000社を突破 2023年7月 日程調整ツール「bookrun」リリース 2025年8月 「formrun」の累計ユーザー数が500,000ユーザーを突破(※2) 2026年1月 ワークフロー構築ツール「workrun」およびAIプラットフォーム「AIBOW」リリース 2026年3月 東京証券取引所グロース市場に株式を上場 ※1.mixtape合同会社は2018年6月に清算済み。 ※2.formrunの累計ユーザー数には無料ユーザーを含む。
役員情報は有報に記載された範囲です。部長級など社内キーマンの網羅情報ではありません。
EDINET(金融庁)
有価証券報告書-第22期(2025/01/01-2025/12/31)
XBRL から抽出: 38
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